鉄道輸送で加速する特殊ガスの物流革新とカーボンニュートラル社会への貢献

鉄道輸送で加速する特殊ガスの物流革新

大陽日酸株式会社と日本通運株式会社は、共同で特殊ガス製品の鉄道輸送を実施する取り組みを始めました。このプロジェクトは2023年6月から、神奈川県川崎市から宮城県多賀城市間で行われており、物流業界における新たな風を吹き込むものとなっています。

特殊ガスとは何か？

特殊ガスは、主に分析機器の校正や半導体製造に使用される高純度ガス、標準ガス、半導体材料ガスといった製品の総称です。これらのガスは、近年の半導体工場の新設や増設に伴い、その需要が急速に増加しており、大陽日酸にとって輸送能力の確保が重要な課題となっています。従来はトラックでの長距離輸送が中心でしたが、鉄道輸送を加えることにより、我々の特殊ガス製品の輸送能力は飛躍的に向上することが期待されています。

モーダルシフトの重要性

鉄道へのモーダルシフトは、環境コストを抑制するうえでも大きな意義を持ちます。具体的には、鉄道輸送による温室効果ガスの排出量は、同一区間でのトラック輸送の約1/10とされており、これは企業の「スコープ3」（サプライチェーン全体の温室効果ガス排出量）の削減を実現するうえで大きな助けとなります。

日本通運との連携

本取り組みでは、日本通運とのパートナーシップも重要な要素です。2023年4月以降、共同で輸送品質の確認作業を進め、外気温、振動、オペレーションの確認を行い、無事本格運用に移行しました。日本通運の広範な輸送ネットワークと運用技術を活用することで、物流の効率化を図りつつ、カーボンニュートラルな社会の実現に向けた大きな一歩となるでしょう。