埼玉県の大野知事は、2023年8月31日に知事就任から4年目を迎える。就任後、豚熱、令和元年東日本台風、新型コロナウイルス感染症など、数々の危機に見舞われた。直近では、降ひょうや集中豪雨による被害、原油価格や物価の高騰への対応も課題となっている。
大野知事は、これらの困難な状況下でも「日本一暮らしやすい埼玉」の実現に向け、精力的に活動を続けてきた。
大野知事は、自身の3年間を振り返り、危機対応に追われ、「自分がやりたいこと」よりも「やらなければいけないこと」を優先せざるを得なかったと率直に語っている。しかし、その中でも「日本一暮らしやすい埼玉」の実現に向け、様々な施策に取り組んできたという。
大野知事の3年間における主な成果は以下のとおり。
I. 埼玉版スーパー・シティプロジェクトの推進
「コンパクト」「スマート」「レジリエント」の3つの要素を兼ね備えたまちづくりを目指す市町村を支援している。現在、11市町がプロジェクトに参加しており、県は市町村ごとに事業化支援チームを編成し、具体化支援を行っている。さらに、プロジェクト推進補助金による財政支援や、県ワンストップ窓口による市町村相談への一括対応、まちづくりに関する技術支援など、多面的支援を実施している。また、応援企業等登録制度や交流会の開催を通じた市町村と企業とのマッチングにも力を入れている。
II. あと数マイルプロジェクトの推進
鉄道延伸や国直轄道路・県管理道路のミッシングリンクの解消に取り組み、公共交通や道路網の更なる利便性向上や交通困難地域のアクセスの向上を目指している。
1. 公共交通関係
- - 地下鉄7号線(埼玉高速鉄道線): 令和5年度中の鉄道事業者への要請に向けた取組を実施中
- - 東京12号線(大江戸線)、東京8号線等: 調査の実施など各路線の課題に対応した取組を実施中
2. 道路関係
- - 国道17号本庄道路(Ⅱ期)(国直轄道路): 令和4年度新規事業化
- - 国道254号和光富士見バイパス(県管理道路): 一部区間が令和5年春に開通予定
III. 女性活躍と男女共同参画の推進
誰もが自分の意欲と能力を発揮し、いきいきと活躍できる「日本一暮らしやすい埼玉」の実現に向けて、女性活躍と男女共同参画について様々な施策を推進している。
1. 女性の就労支援・働きやすい職場環境づくり
- - 働く女性のワンストップ支援
- - 多様な働き方実践企業検索サイト「Work style Search in 埼玉」の開設
2. 県庁における女性の活躍推進
- - 積極的な職域拡大など女性職員の登用
- - テレワークの推進・男性の育児休業の取得促進など働きやすい職場環境づくり
3. 男女共同参画の推進
- - 埼玉県男女共同参画基本計画の施策の推進
- - 埼玉県男女共同参画推進センター「With You さいたま」によるサポート
IV. 埼玉版SDGsの推進
県民や企業・団体等多様なステークホルダーとの協働を通じ、ワンチーム埼玉で「埼玉版SDGs」を推進している。
- - 企業・団体向けの取組として埼玉県SDGs官民連携プラットフォームや埼玉県SDGsパートナー登録制度を創設
- - 県民向けの取組としてアプリ「S³(エスキューブ)」による普及・参加促進
- - 埼玉県SDGs庁内推進本部を立ち上げ、県庁内部局横断で推進
V. デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進
「社会全体のDXの実現による快適で豊かな真に暮らしやすい新しい埼玉県への変革」という将来像を目指し、行政のデジタル化からスタートし、社会全体のDXまで強力に推進している。
- - DX推進計画・ビジョン・ロードマップを策定し取組を体系化
- - DXプロジェクトを県庁内部局横断で展開
VI. 埼玉県行財政改革プロジェクト
「日本一暮らしやすい埼玉」を目指し、行政効率化を目指す62の取組を推進している。中でも「デジタルを活用した取組」は特に大きな成果を上げています。
- - ペーパーレスの徹底
- - WEB会議・テレワークの拡大
VII. 埼玉版FEMA
平時からシナリオ作成や図上訓練を繰り返すことによって、関係機関との強固な連結を推進し、県全体の危機・災害対応力の強化を図っている。
- - 風水害における「大規模停電」、「大規模断水」、「浸水害」などシナリオ作成や図上訓練を実施
大野知事は、今後もこれらの施策を着実に推進することで、「日本一暮らしやすい埼玉」の実現を目指していくと表明した。