新千歳空港映画祭
2024-12-26 16:05:32

新千歳空港国際アニメーション映画祭が彩る、第11回目の魅力と作品の背景

文化や視点の違いが生み出す作品の豊かさ



2024年11月1日から5日にかけて開催された「第11回新千歳空港国際アニメーション映画祭」では、特に注目すべきプログラムが行われました。その名も「メイキングオブ:化け猫あんずちゃん」。このイベントでは、コンペティション長編部門に入選した作品『化け猫あんずちゃん』の制作背景や制作秘話を、監督の久野遥子氏、山下敦弘氏、プロデューサーの近藤慶一氏が語りました。映画の公開を間近に控えてのトークセッションは、ファンや関係者を惹きつけました。

プログラムの冒頭では、英語吹き替え版の予告編が流れ、多くの来場者は期待を込めた視線で画面に注目しました。この映画は日本とフランスの合作であり、映画祭での出会いから始まった物語です。2018年の映画祭で久野監督がフランスのアニメーションスタジオ「Miyu Productions」のエマニュエル氏と出会ったことがきっかけとなり、共同制作の話が進んだとのことです。

制作の裏側



近藤プロデューサーは、この映画祭で皆に作品を披露できることに感動を覚え、また新千歳空港の温泉でリフレッシュしたいと語るなど、カジュアルな雰囲気の中で交流がもたれました。久野監督は初めてエマニュエル氏に声をかけられたときの印象を「キラキラした目が印象的だった」と振り返り、この任務に関わることの喜びを語りました。

本作の手法の一つには、「ロトスコープ」があります。この技術は実写映像をトレースし、アニメーション化するものです。実際、あんずちゃん役には森山未來さんなどの有名な俳優が参加し、実写映画のように多くのシーンが撮影されました。実写監督の山下氏は、ロトスコープの技法を用いることで、実写とアニメーションの融合を目指し、久野監督と相談しながら進めたと述べました。

実写とアニメーションの融合



近藤氏は、音声も実写撮影で収録したものを使用し、アニメーションに活かすことが重要なポイントであったと強調します。アニメーションがどのように実写から変化していくのか、そのプロセスが興味深かったと山下さんが語る場面は印象的でした。特に、「実写の印象を損なわずに猫にするのは難しい」との言葉が、制作の厳しさを物語っています。

さらに、各場面のキャラクターデザインが、俳優たちの表情や動きを忠実に再現しつつもアニメーションらしいデフォルメが施されている様子を示す映像も紹介され、会場は笑い声に包まれる場面もありました。

日仏合作の魅力



制作チームは、作品の背景において日本ならではの要素も大切にしたとのことです。山下氏は「フランスからの意見を取り入れることで、多様性がもたらされた」と語り、久野氏も「妖怪や温泉の要素を楽しむことで、作品が豊かになった」と述べました。アニメーションの制作は、日本側で行われつつ、フランス側が背景美術やカラーデザインを担当しています。

アニメーション制作に携わるフランスのアーティストたちは、独自の視点でシナリオにアイデアを盛り込み、作品を進化させました。フランスと日本それぞれの文化的な特徴や視点が、作品に新しい深みを与えたと語る久野氏の姿は、日仏合作の意義を強調しています。

まとめ



映画『化け猫あんずちゃん』は、ただの娯楽作品ではなく、国際的なチームが力を合わせて作り上げた作品であると思います。近藤プロデューサーは「この映画は数年前から実現に向けて進めて来たものであり、皆で問題解決をしながら面白い作品を作ることに尽力した」と振り返ります。

映画祭の場で、国際的なコラボレーションが生んだ新たなアニメーションの形を、観客と共有できたことは非常に価値のある体験であり、今後のアニメーション文化の発展に寄与していくことでしょう。


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