ユーグレナ社がマレーシアでの新たなバイオ燃料開発に着手
株式会社ユーグレナは、マレーシアにおいてパーム農業残渣を活用した微細藻類培養の可能性を探る調査事業を開始しました。この取り組みは、経済産業省の「令和5年度補正グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金」に追加採択され、国内エアラインの燃料における持続可能な代替原料の供給源となることを目指しています。
燃料転換の背景
日本政府は2030年を見据え、国内航空機燃料の10%をサステナブル航空燃料(SAF)で置き換えることを目指しています。しかし、SAFの主成分となる使用済食用油(UCO)の供給が枯渇する懸念が高まっています。このため、UCOの代替としてマレーシアのパーム農業残渣を利用することに焦点を当てています。これにより、持続可能なバイオ燃料の製造を促進し、商業的な生産体制を確立する狙いです。
プロジェクトの概要
本調査事業では、ユーグレナの技術を用いて、パーム農業残渣を藻類の栄養源として活用する計画が進められます。具体的には、未利用農業残渣の調査、バイオマス糖の試作、藻類の実地培養試験が行われ、2030年代前半に微細藻類による高密度の商業生産を目指します。このプロジェクトを通じて、安定的な低コストの原料供給と、環境負荷の軽減を同時に実現することが求められます。
事業の影響
マレーシアでは、未利用の農業残渣が豊富に存在しています。これを藻類培養に活用することで、地域の農業資源も有効活用されることになります。ユーグレナ社は、調査結果を基に、新たなサプライチェーンの確立へとつなげていく考えです。今回の事業は、持続可能な開発目標(SDGs)への貢献とも密接に関連しており、地元経済にも波及効果をもたらすでしょう。
さらなる展望
今回の採択は、ユーグレナ社がバングラデシュをはじめとする他の国でも突き進めているSAF向けの原料サプライチェーンの構築に寄与します。183件の応募から80件が採択された三次公募でその一員となったことは、同社の国際的な研究開発における貢献の一端を示すものです。今後も、ユーグレナ社はグローバルサウス諸国と協力し、持続可能なバイオ燃料の普及へ向けて取り組む姿勢を示しています。
このプロジェクトを通じて、ユーグレナ社は持続可能なエネルギーの確保と新たなビジネスチャンスの創出を展望しています。バイオ燃料の発展は、環境問題の解決に向けた大きな一歩となることでしょう。今後の具体的な進展が注目されます。
最後に
ユーグレナ社の取り組みは、マレーシアの農業残渣の有効利用を通じて、持続可能な社会構築を目指すものです。これらの活動は、環境問題への解決策を提示し、国際的な協力がどのように地域社会に利益をもたらすかを示す良い例となるでしょう。ユーグレナ社の今後の成果に期待が高まります。