自動車業界の未来
2025-12-11 11:26:27

KPMGジャパンが発表した自動車業界調査2025が示す未来の展望とは

KPMGジャパンの自動車業界調査2025発表



KPMGジャパンが、2025年に向けた自動車業界の姿を見据えた「第25回 KPMGグローバル自動車業界調査2025(日本版)」と「第4回 日本における消費者調査」を発表しました。

このレポートは、日本国内の消費者と世界の自動車業界リーダーたちの視点を織り交ぜたもので、今後の自動車業界が直面する課題や機会が多角的に分析されています。日本を含む世界各国の775人の経営者の意見を採用し、その結果を受けて日本の消費者の意見もまとめています。

自動車業界における5つの重要指針


調査によると、今後自動車産業で競争優位性を特に強化するための重要指針として以下の5つが挙げられています。

1. 変革の先導(Spearhead Transformation)
2. テクノロジーの習得(Master Technology)
3. 信頼の獲得(Earn Trust)
4. 緊張のなかでのかじ取り(Navigate Tensions)
5. 共に成長(Thrive Together)

これらの指針は、特に地政学リスク、サプライチェーンの変革、そしてテクノロジーの導入に関連しており、各企業はこれにどう取り組むかが問われています。

サプライチェーンの見直し


自動車企業の74%が地政学リスクに備え、サプライチェーン戦略を再考しています。最近この分野の変革は特に深刻で、地政学的分断や貿易摩擦に対応するために、戦略的アライアンスやサプライチェーンの再構築に取り組む企業が増加しています。

テクノロジーへの投資とその準備状況


調査では、86%の自動車企業がAIや新たなテクノロジーに投資していますが、その準備が「十分である」と答えた企業はわずか20%という結果も出ています。技術がもたらす変化に対して、いかに早く適応できるかが今後の成功を左右します。

日本の消費者調査の結果


日本における消費者調査では、6077人の自動車保有者を対象に、今後の車購入に関する意識が調査されました。次回購入の動力タイプについては、エンジン車が77%、ハイブリッド(HEV)が30%と、前回調査に比べてエンジン車の購入検討意向が高まっています。

特に面白いのは、10%程度の消費者がロボタクシーの普及によって自家用車を手放す意向を示しており、未来の交通手段への期待が伺えます。

自動運転技術の期待


自動運転に関する期待は高齢者や障がい者支援に集中しており、消費者は日常生活の中での利便性を重視しています。一方で、自動運転技術の普及が進んでも、実際に利用するサービスへの失望感や懐疑的な意見も存在しています。

カスタマーエクスペリエンスの重要性


調査の結果、消費者によって車購入時に重視するポイントが異なることも明らかになりました。日本ブランドの消費者は、価格や安全性能、維持費を重視する傾向がありますが、欧州ブランド、米国ブランドではデザインや走行性能が重要視されています。このことから、メーカーは多様なニーズに応えた製品戦略を取る必要があります。

このように、KPMGジャパンの調査は自動車業界における需要の変化やテクノロジーの進化、消費者の期待を鮮明に浮き彫りにしています。今後、この調査の知見をどのように活かしていくのか、業界関係者の注目を集めています。


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会社情報

会社名
KPMGジャパン
住所
東京都千代田区大手町1-9-7
電話番号

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