成田国際空港から車で約20分の場所に位置する「成田・ホスピタリティ・アカデディー」は、外国人技能実習生が日本で安心して快適に生活し、学習に集中できる環境を提供する専門施設だ。
2023年6月1日に開校した同施設は、MRM合同会社が運営しており、ホテル業界での実習を志望する技能実習生に対して、日本語や生活一般の学習プログラムに加えて、ホテル専門の座学による講習プログラムを提供している。
宿泊特化型から総合リゾートホテルまで様々な業態のホテルを日本全国で展開するマイステイズ・ホテル・グループの監修のもと構築した独自のプログラムで、技能実習生が実習先で円滑なスタートができるようサポートしている。
「成田・ホスピタリティ・アカデミー」では、ホテルの洋室、和室を再現したモックアップルームを完備している。また、冷暖房・ミニ冷蔵庫・トイレ・バス・Wi-Fi完備の個室は衛生的で、プライバシーも守られている。さらに、ランドリールーム、BBQテラスなど、実習生同士のコミュニケーションを深めることができる共用スペースも充実している。
2023年6月からは、本アカデミーの至近距離に別館を開設し、受入人数枠を拡大したことで、より多くの実習生を受け入れることが可能になった。
ビレッジハウス・マネジメント株式会社は、外国人技能実習生が日本でより良い学習体験ができるよう最適な学習環境を提供し、多くの実習生が配属先で安心して円滑に実習開始できるようサポートしていくとしている。
同社は、外国人へのサービス向上を目的に2019年6月から多言語対応に取り組んでおり、現在はポルトガル語、英語、ベトナム語でのサービス体制を整えている。
契約書や入居時の対応だけでなく、入居後の相談にも応じており、外国人が母国語で安心してサービスを受けられる体制を構築している。
「成田・ホスピタリティ・アカデミー」の開校は、外国人技能実習生および特定技能外国人の受け入れ先が製造業に偏っている現状を踏まえ、ホテル業界での人材不足解消を目指した取り組みと言える。
観光需要の回復に伴い、外国人材の積極的活用が求められており、同施設は、質の高いホスピタリティ人材育成の拠点として、今後のホテル業界発展に貢献していくことが期待される。
技能実習制度は、1993年に創設され、2022年度末時点での在日技能実習生の人数は、前年度から4万8,817人増加し、32万4,940人に達している。
宿泊職種については、一般社団法人 宿泊業技能試験センターが宿泊技能実習評価試験を整備し、2020年2月25日に「技能実習2号移行対象職種」に追加され、通算3年間の実習が可能となった。
「成田・ホスピタリティ・アカデミー」は、外国人技能実習生をはじめとした外国人材への最適な学習環境と研修プログラムの提供を通じて、ホスピタリティの高い人材の育成に貢献していくとしている。