2024年3月、東急株式会社、及びそのグループ会社である株式会社東急パワーサプライと株式会社アドバリューは、太陽光発電所の開発に関する基本契約を締結し、協業を開始します。この協業は、東急グループが掲げる脱炭素社会の実現に向けた取り組みの一環であり、再生可能エネルギーの調達を安定化させることを目指しています。
この取り組みの第一号となる太陽光発電所は、2026年度までに合計で10MWの発電能力を持つよう開発される予定です。両社は、発電所の機器構成や災害対策の要件などについて詳細な仕様を定め、アドバリューがこれに基づいて発電所を開発します。
開発された発電所は、東急が設立する特別目的会社(SPC)が取得し、その発電した電力は東急パワーサプライを通じて、東急グループが保有するさまざまな施設—例えば、鉄道やビル、ホテルなど—に供給されます。この取り組みにより、東急グループは2027年度までに約4,700トンのCO2排出量を削減できると見込まれています。
さらに、東急グループは2022年3月に策定した「環境ビジョン2030」に基づき、脱炭素化を促進するための中期経営計画を進めています。この計画では、地域環境への配慮を胸に、自社での電力調達(内製化)を進めるとともに、エネルギーの創出(創エネ)と蓄積(蓄エネ)を促進していく意向です。
すでに手がけている他の太陽光発電所の開発を含め、2027年度以降には、東急グループの消費電力の約6%を自社開発した再生可能エネルギーによって賄うことが可能になる見込みです。また、東急パワーサプライは、東急線沿線を中心とした豊富な電力小売りのノウハウを活用し、再エネの効率的な供給を目指していく考えです。
このように、東急グループとアドバリューの協業は、単なる発電所の開発にとどまらず、脱炭素社会に向けた大きな一歩を踏み出す重要なプロジェクトとなっています。今後の進展が非常に楽しみです。