NICTER観測レポート2024が示すサイバー攻撃の実態
国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)によるNICTER観測レポート2024が公開されました。この報告は、NICTERプロジェクトにおけるサイバー攻撃関連通信の観測結果をまとめたもので、2023年に比べてサイバー攻撃が11%増加したことを示しています。特に、IoT機器に対するボット感染の増加が顕著で、日々約2,600台が感染しているとされています。
サイバー攻撃の増加とIoTの脆弱性
観測によると、日本国内ではIoTボット感染ホストが日々約730台から11,500台にのぼります。このような状況は、特にDVR製品やIoT向けLTEルータが狙われる傾向が続いています。また、NICTERプロジェクトでは、ダークネットに約29万IPアドレスを持つ観測網を構築し、245万パケット以上の攻撃が1年間に観測されています。
一方、DRDoS攻撃の件数は減少傾向にありますが、依然として危険な状況が続いています。NICTでは、このような脆弱性が悪用され続ける中、セキュリティ対策の重要性を再認識する必要があると強調されています。
調査活動の活発化とパケット統計
NICTERプロジェクトの観測によると、調査目的のスキャンパケットは全体の60.2%を占め、引き続きインターネット上のIoT機器や脆弱性を狙った調査が行われています。特に、Webカメラや家庭用ルータが攻撃対象として多く観測されており、IoT機器に関連したサイバー攻撃が深刻な問題となっています。
おわりに
NICTは、サイバー攻撃によって侵害される状況が続いていることから、関係者間で情報共有を行い、速やかな対策を講じる必要があるとしています。今後もNICTERプロジェクトを通じて、日本のサイバーセキュリティの強化と情報発信力の強化に努めていく方針です。最新の報告書には、具体的なデータや詳細が掲載されており、関心のある方は公式ウェブサイトで確認することができます。