ZIPAIRが業界初のカーボンニュートラリティ認証を取得した背景と取り組み

ZIPAIRが業界初のカーボンニュートラリティ認証取得

ZIPAIRがISO 14068-1：2023に基づくカーボンニュートラリティの第三者認証を取得しました。この成功は、株式会社エスプールブルードットグリーンが提供した支援によるものであり、航空業界において重要な意義を持つものです。特に、CO₂排出量の削減と事業成長を両立させるための新たなアプローチは、今後の航空業界に大きな影響を与えることでしょう。

ZIPAIRの理念「NEW BASIC」

ZIPAIRは2018年に設立され、日本航空（JAL）グループの中長距離LCCとして新たなキャリアモデルを目指しています。「安いだけのサービス」や「高品質だが高額」というこれまでの航空業界の二項対立を打破し、質の高いサービスの提供と同時に、持続可能な運航を実現することを目指しています。当社は、設立当初から脱プラスチックに取り組み、再生可能な資源を利用した製品を導入してきました。

CO₂削減への意識と挑戦

ZIPAIRでは、CO₂排出量を削減するための方法を常に模索しており、まずはJ-クレジットなどのオフセット手段から取り組みをスタートしました。その後、ヤマト運輸が取得したISO 14068-1のニュースを受け、社内での検討が始まります。この認証取得に向けた決断の背景には、排出原単位という基準を活用した削減の評価方法があったといいます。それにより、効率的に多くの人や荷物を運び、CO₂削減と事業の成長を同時に実現することが期待されました。

エスプールブルードットグリーンの支援の実態

認証取得に向け、ZIPAIRはエスプールブルードットグリーンに支援を依頼しました。知識と経験が豊富な同社は、ZIPAIRの事業構造を深く理解した上で、実効性のある削減方法を提案してくれるとのこと。単に書類を作成するだけでなく、CO₂削減に向けた具体的なアプローチを共に考える体制が整っていました。これは、信頼できる伴走型の支援として評価されているようです。

取り組みの成果と今後の展望

サービス導入後、社内でカーボンニュートラルに向けた取り組みの「道筋」が明確化され、共通認識が醸成されたことが評価されています。また、排出原単位の削減を通じて事業成長につながる確証を得ることができたことも大きな成果です。

しかし、現時点ではカーボンニュートラルには達成しておらず、外部評価はまだ先になりそうです。今後は排出原単位の削減を短期的な目標としつつ、持続可能な航空燃料SAFの導入も進めていく考えです。実際、既にSAFの導入は行われているものの、流通量が限られており、より効果的な方法を模索する必要があります。そのため、一歩一歩丁寧に取り組む姿勢が求められています。

このように、ZIPAIRが挑むカーボンニュートラリティの道は、航空業界全体にとっての新たな課題となっています。持続可能な航空サービスの実現に向け、今後の動向に注目です。