病院の森と壁画
2024-09-02 21:06:34

病院に生まれた「森」の壁画が描く未来へのメッセージ

病院に生まれた「森」の壁画が描く未来へのメッセージ



福島県郡山市にある社会医療法人あさかホスピタルが創立60周年を迎え、病院全体が新たな一歩を踏み出しました。これを記念して、医療とアートを融合させた「mingle」というテーマのプロジェクトが1年以上にわたって行われ、特に注目すべきは、こどもの心外来へ続く廊下に制作された大規模な壁画です。

新たなステージへ



2019年から進められていた「森の棟」の建設工事が完了し、病院は生まれ変わりました。この新施設の開設に伴い、スタッフの交流促進を目的としたプロジェクトが始動し、地域との絆を深めるためのアート活動が展開されました。特にこの壁画制作では、地域の特性を反映したアートを作り出すことが中心テーマとなりました。

アーティストの挑戦



壁画の制作を担ったのは、国内外で活躍しているアーティスト、淺井裕介氏です。淺井氏は「野生」をテーマに、地域の土を使った泥絵の技法で作品を生み出します。彼は、あさかホスピタルの敷地や関連施設から採取された土を用いて絵を描き上げました。この土は、乾燥させ細かく砕かれ、絵の具として使用されました。

地域との共創



制作活動には、あさかホスピタルの職員や患者さん、地域住民など、延べ100名以上が参加しました。彼らとの交流を通じて、共に未来を創る意識が醸成され、地域との結びつきがさらに深まりました。また、あさかフェスで行われた土づくりの活動では、地域の人々も積極的に参加し、アートを通じてのコミュニケーションが生まれたのです。

歴史と未来をつなぐプロジェクト



このプロジェクトは、芸術と医療が融合した新しい形の療養環境を築く試みとして捉えられています。壁画の完成までの道のりは、以下のような複数のステップを経て進められました。

  • - 2015年: 淺井裕介氏と出会い、ホスピタルアートの構想が始動。
  • - 2016年: 森の棟の基本構想がスタート。
  • - 2017年: 海外の病院視察を経て、アートの考えがまとめられる。
  • - 2019年: 淺井氏の作品が猪苗代中学校にて完成。
  • - 2020年: 森の棟の1期工事が竣工。
  • - 2022年: 淺井氏に対する招聘への思いが強まる。
  • - 2023年: 60周年記念プロジェクトが始動、土の採取から制作までを実施。

完成した壁画



制作された壁画は「大地の泉ーひかりの木」と名付けられ、しっかりとした表現力を持つ作品となっています。地域の人々と共に創り上げたこのアートは、ただの装飾ではなく、病院を訪れたすべての人々へのメッセージを込めた作品といえるでしょう。未来を見据えたアートが、病院の廊下に豊かな「森」をもたらし、思いやりに満ちた社会への憧れを体現しています。

まとめ



あさかホスピタルの60周年記念プロジェクトは、ただのアート制作に留まらず、地域社会との連携、医療の新たなかたちを探求した重要な試みでした。これからも、アートと医療が交差しながら歩んでいく未来が期待されます。地域の皆様との新たな物語が続いていくことを、心から願っています。


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会社情報

会社名
社会医療法人あさかホスピタル
住所
福島県郡山市安積町笹川字経坦45
電話番号
024-945-1701

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