Upstage、AWSとの連携強化で生成AIの革新を加速
米国カリフォルニア州サンノゼに拠点を構えるUpstage(アップステージ)が、AmazonおよびAMDから合計4,500万ドル(約66億円)の資金を調達したと発表しました。この調達により、同社の累計資金調達額は1億5,000万ドル(約222億円)に達しました。これにより、次世代言語モデル「Solar」の開発が加速し、ドキュメントAI製品のさらなる進化が期待されています。また、日本を含むアジア太平洋および米国市場での積極的な展開が推進されます。
AWSとの戦略的協業契約
Upstageはこの資金調達に合わせて、AWS(Amazon Web Services)との戦略的協業契約(SCA)にも署名しました。この協業により、Solar基盤モデルやAIアプリケーションの共同開発が進められ、双方にとってのシナジーが生まれることが期待されます。AWSはUpstageの優先クラウドプロバイダーとなり、最新の技術を活用しながら、安全で高性能なAIソリューションの提供を実現します。
"UpstageとAWSは長年の信頼関係を築いてきました。今回の合意は、我々が目指すAIイノベーションを加速させる新たな一歩です。"とUpstageのCEOであるSung Kim氏はコメントしています。この協業を通じて、公共や金融などの規制産業に向けた高度な生成AIソリューションの提供が進められます。
Document Intelligenceの進化
Upstageが展開する「Document Intelligence」は、業務プロセスを劇的に変革する要素です。この技術には、非構造化文書を構造化データに変換する「Document Parse」や、主要情報を抽出する「Information Extract」が含まれます。これにより保険契約書や請求書、財務諸表などの複雑な文書も95%以上の精度で処理でき、手作業を減少させることが可能です。従来のOCRと違い、Upstageの技術は文書の意図や意味を理解し、業務に即した出力を実現します。
さらに、SolarはAWSのプラットフォームであるAmazon SageMakerで学習され、Amazon Bedrock Marketplaceを通じて提供されるため、企業は効果的なAI活用が可能です。
日本市場に向けた特化型LLMの展開
日本市場に向けても、Upstageは日本語特化型LLM「Syn」の提供を開始しています。このAIは、日本の文脈において高い精度を誇り、日本企業の実需要に即した設計が施されています。2025年9月には、さらに進化した日本語モデルが発表される予定であり、日本市場におけるAI需要の増大に応え続けることが期待されています。
上記に関し、Upstageの代表取締役である松下紘之氏は、「我々は精度、速度、信頼性を兼ね備えたAI技術を通じて、日本市場でも業務変革を推進していきます。」と語っています。
グローバル展開のさらなる加速
この資金調達は、UpstageがFortune 500企業や公共機関での導入拡大を図りながら、営業やマーケティングの人材を強化し、日本市場を含むグローバルな成長を加速させる基盤となります。Upstageがレポートした通り、最近米国の保険業界における成果も評価されており、これからの成長が期待されています。
同社の最先端技術は、業務の効率化を目指す企業にとって、信頼できる解決策としての地位を確立しつつあります。2025年には、さらなる進化を遂げていくであろうUpstageの動向から目が離せません。