井上荒野の新たな傑作『猛獣ども』が登場
直木賞作家・井上荒野の新刊、長編小説『猛獣ども』が2024年8月7日に株式会社春陽堂書店から発表されます。この作品は、愛の行方の複雑さをテーマにした物語で、著者が「自分にとって大切な小説になりました」と語るほどの思い入れがあります。
著者の想いと作品の背景
井上荒野さんは数々の恋愛小説で知られており、その実力は広く認められています。これまでのヒット作には『あちらにいる鬼』や『照子と瑠衣』等があり、その深い心理描写が高く評価されています。装丁は井上作品を手掛けた大久保伸子、装画はイラストレーターの杉本さなえが担当しています。杉本さんはInstagramでのフォロワー数が9万9千人を誇る人気作家であり、作品に独特の美しさを添えています。
『猛獣ども』のあらすじ
物語は、閑静な別荘地での一件から始まります。そこで逢引きをしていた男女が熊に襲われ、命を落とすという衝撃的な事件が起こります。この事件は、管理人である男女や6組の夫婦に波紋を広げ、各々の愛と嫉妬、怒りなどの感情が交錯していきます。愛に傷ついた彼らは一体何を求め、どのような結末を迎えるのでしょうか。
評判や感想
この本を先に読んだ方々からは、多くの反響が寄せられています。イラストレーターの杉本さなえさんは、「万華鏡が回るように、各夫婦の鬱屈が描かれていて、自分が覗き穴から観察しているような気持ちになりました」と述べています。また、代官山の蔦屋書店の間室道子さんは、「服を着ていても、誰かを愛しても、人は皆猛獣です」と感想を残しています。さらに本の王国の宮地友則さんは、「日常に潜む悪意を淡々と描くリアルヒューマン小説は、井上荒野にしか描けないだろう」とコメント。
著者のこだわり
井上荒野はこの小説を書く中で「愛の行方」について深く考え続けたと語ります。彼は「愛ってなんなのだろう」と問いかけ、自分にとって重要な作品として仕上げています。
まとめ
『猛獣ども』は、愛と人間関係の複雑性を描いた作品であり、楽しむ価値が高い一冊です。読み手に新たな視点を提供し、心に響くメッセージを届けてくれます。8月の発売を待ち遠しく思う読者には、ぜひ手に取ってこの作品を味わってほしいものです。