フォーラム開催
2021-03-19 16:20:35
病気の子どもとその家族を支えるフォーラムが行われました
フォーラム開催レポート
病気の子どもとその家族のためのトータルケアを模索するフォーラムが2020年12月5日に開催されました。国立がん研究センターの中釜斉理事長を迎え、ファミリーハウスの活動や未来のビジョンについて深い議論が繰り広げられました。
ファミリーハウスの役割
1991年に設立されたファミリーハウスは、東京都内で9つのハウスを運営しており、年間約8000人の子どもとその家族に“ふつうの生活”を支え続けています。特に、患者が治療を受けながらも家族と過ごせる「理想の家」の必要性が強調され、さらなる発展が期待されました。
中釜先生の講演
中釜先生の基調講演では、がん治療の最新情報や全人的ケアの重要性が語られました。がんが引き起こす身体的、精神的、社会的な苦痛に対する包括的なケアが求められ、特に小児の患者さんやその家族に対するサポートの重要性が強調されました。中釜先生は、医療機関だけでなく、社会全体で患者を支える必要性についても触れました。
全人的苦痛の理解
「全人的苦痛(トータルペイン)」という概念が取り上げられました。これは身体的な苦痛だけでなく、精神的、社会的、そしてスピリチュアルな苦痛を含むものであり、がん患者とその家族が直面するさまざまな苦しみの側面を理解した上でのサポートが求められています。中釜先生は、社会全体が協力することが治療生活を支える鍵だと語りました。
コロナ時代の課題
新型コロナウイルスの影響で、がん治療が通院中心に変化する中、医療環境の整備が新たな課題となっています。特に小児がんを患う子どもたちは感染症に対する抵抗力が低いため、家族が付き添うことで不安が増す状況があります。そのため、地域の医療機関やサポート施設との連携がますます重要になっています。
各関係者の意見
ファミリーハウスの理事長である江口八千代氏と、理事の植田洋子氏、小山健太氏が「ファミリーハウスの今後」についてもディスカッションしました。彼らは、過去30年間の運営の変化や、今後必要とされるケアの方向性についても意見を交換しました。特に、「理想の家」の構想は、病院との連携だけでなく、学びの場やコミュニティとしての機能も重要視されています。
また、利用者一人ひとりの個別のニーズに応え、居場所を提供できる環境づくりが大切であるとの認識も示されました。
最後に
フォーラムは、病気に苦しむ子どもたちとその家族がより良い生活を送れるようにするため、医療従事者、支援団体、そして社会全体がどう協力し合うべきかを改めて考える機会となりました。今後のファミリーハウスの活動に注目が集まります。
会社情報
- 会社名
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認定NPO法人ファミリーハウス
- 住所
- 東京都千代田区神田須田町1-13-5藤野ビル3F
- 電話番号
-
03-6206-8372