狭山の森礼拝堂がアジア建築賞で最高賞を受賞
この度、東京都世田谷区に拠点を置くNAP建築設計事務所の代表、中村拓志氏がアジア地域建築家評議会(ARCASIA)主催の「2016年アルカシア建築賞」で最高賞である「ビルディング・オブ・ザ・イヤー」を受賞したことをお知らせします。受賞作品は、埼玉県所沢市に位置する『狭山の森 礼拝堂』で、2014年に竣工しました。
ARCASIAとは、アジア19カ国の建築家協会が構成する組織で、その活動の一環として開催されるアルカシア建築賞は、重要な建築の評価基準を提供しています。この賞は、6つのカテゴリーと10の部門で構成され、各部門のゴールドメダル受賞作品の中から最も優れた作品に贈られる賞です。9月29日に香港で行われた表彰式で、狭山の森礼拝堂が最高賞に選ばれました。
『狭山の森 礼拝堂』は、自然と人々の精神的なつながりを表現するコンセプトで設計されました。森と墓域の境界に位置するこの礼拝堂は、宗教や信仰を超え、故人を讃える場所として新しい形を提案しています。木々と調和した外観を持ち、内部は静かな祈りの空間となっており、祭壇の奥には広がる森があります。2本の柱が合掌するように立てられた構造は、訪れる人々に深い安らぎを提供します。
中村拓志氏のコメント
中村氏は受賞に関して、「アルカシア賞の最高賞である『ビルディング・オブ・ザ・イヤー』を受賞できたことは、アジア各国の優れた建築作品の中から選ばれたという非常に名誉なことです。従来の欧米主導の評価基準に対抗し、アジア地域独自の文化性や地域性に基づいた評価軸を構築することが重要であり、この受賞はその一歩と捉えています。今後も豊かな環境を生かしながら、新しい建築を生み出すことに努めていきます。」と述べました。
中村拓志氏は1974年に東京で生まれ、神奈川県鎌倉市や石川県金沢市で成長しました。1999年には明治大学大学院理工学研究科を修了し、その後、隈研吾建築都市設計事務所での経験を経て、2002年にNAP建築設計事務所を設立しました。コミュニケーションデザインという理念を持ち、人々と自然、建築との関係を重視した設計を展開しています。
建築の概要
- - 名称: 狭山の森 礼拝堂
- - 構造: 鉄筋コンクリート構造(一部木造)
- - 敷地面積: 148.22平米
- - 延床面積: 110.49平米
- - 所在地: 埼玉県所沢市
- - 施工: 清水建設
- - 施主: 公益財団法人 墓園普及会
中村氏のデザインが多くの人々に感動を与え、さらなる発展を遂げることを期待しています。今後の活動にも注目です。