日本トリム、電解水透析システムの導入が1000床に到達
株式会社日本トリム(本社:大阪市、代表取締役社長:田原周夫)は、2025年2月に国内において「電解水透析システム」の導入床数が1000床を達成したと発表しました。これにより、約3,000名の透析患者がこの新たな透析方法を受けられるようになります。当社の取り組みは、透析患者の生活の質(QOL)の向上を目指しています。
電解水透析システムの仕組みと利点
日本は世界有数の透析医療が遂行されていますが、透析患者の平均余命は一般人の半分程度とされています。心血管死は透析患者の主要な死亡原因であり、酸化ストレスや炎症が関与しているとされています。さらに、透析治療による疲労感は患者のQOLを低下させ、社会復帰を困難にする場合も少なくありません。
電解水透析システムは、抗酸化作用を持つ水素分子(H2)を利用して、酸化ストレスや炎症を抑える効果があるとされており、これにより透析患者の疲労感が軽減される可能性が期待されています。日本トリムは、1995年からの研究開発を経て、2011年にこのシステムを市販いたしました。
研究の歴史と成果
日本トリムと台湾大学との共同研究を経て、電解水の抗酸化作用が確認され、透析への応用に成功しました。具体的には、2005年から東北大学との共同研究により、安全性と有効性を実証することができました。
これまでに発表された論文によると、電解水透析が、透析患者の合併症予防や生活の質向上に寄与する可能性が示されています。2021年には、透析関連の重度の疲労感を軽減させる効果が確認されています。
今後の展望
株式会社日本トリムは、今後も電解水透析の研究と普及に注力し、さらなる患者のQOL向上に貢献することを目指しています。聖路加国際大学特任教授・中山昌明先生は、電解水透析が日本だけでなく、世界の標準的な治療となることを強く期待しています。また、日本トリムの代表取締役会長・森澤紳勝氏は、この成果を一つの区切りとし、さらなる研究開発と普及に努めていくとしています。
このように、電解水透析の導入は透析医療における大きな進展を意味し、多くの透析患者にとって新しい希望となることでしょう。今後の実践データの蓄積と研究の進展によって、さらなる効果を期待できるでしょう。