体験型ショールーム「INSPIRATION SPACE」
株式会社アートフリークが手がけた体験型ショールーム「INSPIRATION SPACE」が、2025年度グッドデザイン賞を受賞しました。このショールームは、太陽インキ製造株式会社の技術開発センター「InnoValley」内に設置されており、プリント基板用材料である「ソルダーレジスト」に対する理解を深めることを目的としています。
デザインの背景とコンセプト
「ソルダーレジスト」は、エレクトロニクス製品に欠かせない基幹材料ですが、その重要性は見えにくく、一般の人々に伝わりづらいという課題がありました。アートフリークは、この課題を解決するために、「見えない技術を、見える価値へ」とのコンセプトを掲げ、来訪者が能動的に「見る・触れる・考える」体験を通じて技術の魅力を発見できる空間をデザインしました。
空間の構成
INSPIRATION SPACEは、主に「History」「Future」「Technology」の3つのテーマに基づいて構成されています。この3つのテーマを通じて、来訪者は自ら積極的に情報を得て、より深く学ぶことができます。空間全体に施されたインタラクティブな演出や映像、グラフィックは、来訪者の興味を引き出すために統合的に設計されています。
特に目を引くのは、タッチウォールです。最新の技術を柔軟に更新できるこのインターフェースは、製造工程や未来都市の描画を体験できる仕掛けを提供しており、実物のソルダーレジストとともに配置されています。これによって、技術との接点が「触れる」という体験に強化され、技術の面白さを直感的に感じられる空間が実現されています。
評価と受賞の意義
グッドデザイン賞の審査員は、「目に見えにくい電子材料を体験的に理解できる場を設け、技術の社会的意義を伝えるとともに、ブランド価値の向上にもつなげた点が評価された」とコメントしています。来訪者が受動的に情報を得るのではなく、自発的に気づき、触れ、考える能動的な体験を通じて技術の魅力に触れられるこのショールームは、対話を生み出す空間構成により、印象的なものとなっています。
今後の展望
受賞を受けてアートフリークは、空間デザインが企業の情報と来訪者の好奇心の間に対話を生むことができると実感しています。今後も、美しい空間を具現化するだけでなく、企業が持つ潜在的な価値やビジョンを体験という形で展開するデザインを追求し、社会に貢献していきたいと考えています。
まとめ
INSPIRATION SPACEは、ただの展示空間を超えた、新たな体験を提供する場所です。この体験を通じて、訪れる人々が技術の隠れた価値を発見し、企業とともに未来を創造していくことを期待しています。また、テクノロジーとデザインが融合することで、より進化した企業のメッセージを伝達する場が広がっていくことでしょう。
詳細は、
グッドデザイン賞公式サイトをぜひご覧ください。