インフォコムが新たに開発した退院サマリー機能
インフォコム株式会社(東京都港区、代表取締役社長:黒田淳)が、大阪府立病院機構の大阪急性期・総合医療センターに向けて、診療情報管理システム「Medi-Bank」をさらに進化させました。新たに開発された退院サマリー作成機能が、電子カルテ情報共有サービスに対応したことが発表されました。
医療DX推進に向けた背景
厚生労働省は医療DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進を強化しています。その一環として、医療機関間で医療情報を電子的に共有するための「電子カルテ情報共有サービス」が構築されています。2024年1月からは全国10箇所で試行が開始される予定で、これは医療機関にとって非常に重要な取り組みです。
HL7 FHIR準拠
この電子カルテ情報共有サービスには、次世代医療情報データ規格「HL7 FHIR」に準じたデータの作成が求められます。大阪急性期・総合医療センターでは、インフォコムの「Medi-Bank」を使い、電子カルテや他のシステムと連携しながら運用を進めているため、今回新たに退院サマリー作成機能が開発されました。この機能は、HL7 FHIRに基づく要約情報の生成が可能となります。
Medi-Bankの特徴と導入実績
「Medi-Bank」は、2000年4月に販売が開始されて以来、1,000を超える医療施設に導入され、シェアNo.1を誇る診療情報管理システムです。このシステムは、病院内の電子カルテシステムや各部門と連携し、必要な医療情報を取得しながら退院サマリーを作成します。
また、電子カルテ情報共有サービスに連携する際には、厚労省が定めた共有情報をHL7 FHIR形式で用意する必要があります。これに伴い、管理が難しい情報を補完するための支援ツールも併せて開発しています。作成された退院サマリーは、電子カルテから直接共有サービスへ送信されることになります。
医療情報学連合大会での発表
今回の共同開発の成功は、福岡で行われた第44回医療情報学連合大会において発表されました。この場で、開発した退院サマリー作成機能の具体的な内容が紹介され、多くの注目を集めています。詳細な発表内容は、インフォコムの公式ページで確認することができます。
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今後の展開とヘルスケア事業
厚生労働省では、地域医療支援病院や特定機能病院への電子カルテ情報共有サービスの導入を努力義務化することが検討されており、インフォコムは「Medi-Bank」を通じて、新機能を医療機関に展開する予定です。また、同社は中期経営計画(2023年度〜2025年度)で、病院向けサービスをはじめとするヘルスケア事業を重点事業として位置付けています。
会社概要
インフォコムグループは、医療機関や企業向けに情報システムを提供するITサービス事業と、一般消費者向けに電子コミック配信サービス「めちゃコミック」を展開するネットビジネス事業を手掛けています。医療分野における取り組みは、今後のさらなる成長が期待されます。