パナソニックが第71回大河内記念技術賞を受賞
パナソニック プロダクションエンジニアリング株式会社(PPE)が、2025年3月25日に日本工業倶楽部会館にて行われた贈賞式で、「第71回大河内記念技術賞」を受賞しました。この賞は、低コストで高精細なOLEDディスプレイを実現するための産業用インクジェット装置の開発に対するものです。この革新的な技術は、今後のディスプレイ技術に大きな影響を与えることが期待されています。
受賞技術の概要
PPEが開発したインクジェット装置は、以下の3つの主要な技術に基づいています。
1.
微小液滴吐出技術の確立:これにより、インクが均一に吐出され、画質が向上します。
2.
インク循環システムの構築:全ノズルの目詰まりを抑えることで、メンテナンスが少なくて済む高安定化インクジェットヘッドが実現しました。
3.
印刷技術の進化:大判パネル印刷において、乾燥ムラを抑制するワンパス印刷技術と印刷体積の制御技術を開発しました。これにより、高精細でムラのない印刷を行うことが可能となります。
また、大型ステージでの印刷安定性を確保するための吐出タイミング補正制御技術も開発されています。この技術の融合により、PPEはメンテナンスフリーかつムラフリーなインクジェットヘッドを搭載した、世界初の量産対応型産業用インクジェット装置を実現しました。
贈賞式の様子
贈賞式では、受賞者となったPPEの吉田英博氏、中谷修平氏、臼井幸也氏が出席し、受賞の喜びを語りました。彼らは技術開発において多くの試行錯誤があったことを振り返り、チームとしての協力の重要性を強調しました。
この受賞は、パナソニックの技術力を示す重要な評価となります。今後も引き続き、業界の発展に寄与する革新技術の開発に努めていく方針です。
参考リンク