白鶴酒造の未来を見据えた新醸造蔵の建設
国の清酒製造業において、伝統と革新が交差する場として知られる白鶴酒造株式会社が、神戸市東灘区の本社敷地内に新たな醸造蔵を建設することを発表しました。この最新の醸造蔵は、2026年冬に稼働を開始する予定で、特定名称酒に特化した酒造りを行う計画です。
新醸造蔵の背景
新しい醸造蔵は、これまで昭和から平成、そして令和にかけて白鶴の特定名称酒の製造を担ってきた本店二号蔵工場の後継となるものです。実際、本店二号蔵工場は寒い冬の季節に大吟醸を製造し、夏には梅酒やみりんを作るという二刀流の役割を果たしてきましたが、今回の新蔵建設は、より専門的な酒造りに向けた進化の一環となります。
新蔵では「米水人未来へ醸す命のめぐみ」というコンセプトを掲げ、社員のみで年間を通じてプレミアムな特定名称酒の生産に注力します。このような取り組みは、ブランドの信頼性を高め、消費者に高品質な商品を提供するための重要なステップといえるでしょう。
設備と技術の進化
新醸造蔵の建設では、最新の設備が導入される予定です。例えば、横型蒸米機や円盤製麹機、吟醸用甑など、これまでの技術をさらに進化させるための機材が整備される予定です。また、無通風製麹機や15KL・3KLの発酵タンクも新設され、2026年には生産能力が1,100KLに達する見込みです。
加えて、白鶴は過去の膨大なデータを基にした醸造管理方法を取り入れ、品質重視のアプローチを一層強化することを目指しています。このような革新は、すべての製品において一貫した高品質を実現するためのものです。
今後の展望
新醸造蔵の着工日は2025年8月1日で、建物は鉄筋コンクリート造の地上2階建て。敷地面積は18,659㎡、建築面積は2,425.79㎡となります。竣工予定は2026年の10月末、そして操業開始が12月に予定されており、これからの白鶴酒造にとって新たなページが開かれることでしょう。
この新しい蔵が、白鶴酒造のさらなる発展と成長を促進し、日本全国の酒ファンに愛される酒造りが続くことを期待してやみません。これからの白鶴酒造の取り組みに、ぜひご注目ください。