Beyontとワコールの連携による人事規定検索支援AIエージェント
株式会社Beyontは、株式会社ワコールのためにAIエージェントを構築し、その効果が注目されています。このプロジェクトは、MicrosoftのCopilot Studioを用いて行われ、約2ヶ月という短期間で実現しました。
AI導入の背景
ワコールでは、内勤社員全員が通常の業務でAIを活用する体制を整えています。AIエージェントを必要とする背景として、人事規定への問い合わせが集中している点が挙げられます。特に、就業規則や福利厚生などの情報が多数の文書に分散しているため、社員が必要な情報を見つけるのが難しくなっていました。
また、人事担当者は月に数百件にのぼる問い合わせを処理しており、時には社員が上長に確認するケースも見られました。このような状況から、より効果的な問い合わせ対応を実現するために、AIエージェントの導入が決定されたのです。
構築の内容
Beyontは、ワコールのIT戦略本部及び人事部門と協力し、AIエージェントの構築を進めました。実運用を見据えた設計が求められ、個人情報に関する質問には応じず、適切な問い合わせ先を案内するガードレールも実装されました。また、曖昧な質問には確認を返し、答えられない質問に対しては推測で応答しないことが確認されました。
さらに、社内の特有用語に関する定義を追加し、改善サイクルを設けることでAIエージェントの精度向上に努めました。忙しい人事部門との協力のもと、品質を保証する運用設計がなされております。
プロジェクトの成果
このプロジェクトの効果は、問い合わせの一次対応としての精度が高まった点にあります。33の評価用質問の内、27が人事部門の審査に合格。さらに、関連規定を示すことで、一貫した情報提供が行われ、回答内容のばらつきを抑える成果が見られました。
また、AIのみに依存せず、回答が難しい問い合わせには人事担当者につなぐ運用を設計することで、利用者への安心感も確保されています。これにより、AIエージェントは単なるツールではなく、社員のサポート役としても機能することが期待されています。
今後の展望
今後、Beyontとワコールは全社展開に向けた次のステップに進む予定です。試験導入の後、活用状況のモニタリングやフィードバック収集を実施し、共通運用ルールの整備を進めていきます。この過程において、新入社員や異動者などもAIを活用できるようになり、社内全体でのAI利用が促進される見込みです。
さらに、本事例を他部門にも展開し、業務効率化を図る考えです。Beyontは、意欲的に各部門でAIを利用している社員をアンバサダーに選出し、IT部門と連携して新たな成果を創出する事例を進める方針を持っています。
まとめ
以上のように、Beyontがワコールに提供したAIエージェントの導入は、社内におけるAI活用の新しい形を示しています。短期間で実装され、部門業務に直結した効果を生み出すことができた本プロジェクトは、他の企業にとっても貴重な事例となるでしょう。