コクヨとチエルが協力する理由
教育現場では、近年ICT(情報通信技術)の導入が進んでおり、その背景には政府が推進するGIGAスクール構想や高等学校のDX(デジタルトランスフォーメーション)施策があります。このような背景を受けて、コクヨ株式会社とチエル株式会社の二社が協業を開始しました。この協業は、教育施設向けに新しい学びの環境を提案することを目的としています。特に、学校教育のICT利活用を促進するために、両社が得意とする分野を組み合わせ、より効果的なソリューションを提供しようとしています。
協業の具体的な内容
今回の協業では、GIGAスクール構想の第二期や文部科学省の「リーディングDXスクール事業」を見据え、チエルが提供するICT関連ソリューションと、コクヨが手がける教育用家具のサポートを組み合わせた各種販促物を企画・制作します。
特に注目されるのは、従来の教室やPC室を「クリエイティブラボ」や「デジタルラボ」と呼ばれる新しい学習空間にリノベーションする提案です。小中学校向けのクリエイティブラボと、高等学校向けのデジタルラボに関するリーフレットも共同で制作し、全国の教育施設に展開していく予定です。
また、10月内には教育施設の関係者向けに、ウェビナーを開催することで、両社が開発した提供するソリューションについての理解を深めてもらう機会を設けます。
新しい学びの環境とは?
「クリエイティブラボ」は、子どもたちが自ら主体的に学び、創造力を育むための空間です。従来の教室の枠を超え、アイデアを共有できるチームスペースや実験・制作が行えるエリアを設け、生徒の興味を引き出すような環境を構築します。一方、「デジタルラボ」は、情報科目やプログラミングに特化した学習を実現するための空間です。ここでは、レイアウトを自在に変更でき、グループディスカッションやプロジェクトワークがスムーズに行えるような機能が求められています。この両者を融合させることで、教育の現場に多様性と柔軟性を持たせるのが今回の協業の狙いです。
今後の展望
将来的には、チエルのICTシステムに加え、コクヨの可動性の高いデスクやチェアを併用することで、学習のスタイルや内容に応じて迅速にレイアウトを変更できる教育空間の提案を行っていく方針です。これにより、高等学校における「総合的な探究の時間」や「情報Ⅰ」の授業での多様な学習活動に対応でき、より効果的な教育環境を提供することが期待されています。
会社情報
コクヨ株式会社は、大阪市に本社を置く文房具・オフィス家具の大手メーカー。その製品は、教育施設においても広く利用されています。一方、チエル株式会社は、東京都品川区に本社を置き、授業支援や学習支援のためのICT製品を専門に開発する企業です。両社の協業がもたらす新しい教育環境に期待が高まります。
最新情報やウェビナーの詳細については、それぞれの公式ウェブサイトをご覧ください。