SNSで広がる「やさしさ」と通学支援
特定非営利活動法人シフトエイティ(代表理事:坂田ミギー/東京都江東区)は、9月から10月にかけて行われたSNSチャリティーキャンペーン「#やさしさアクション」の結果を発表しました。このキャンペーンでは、参加者がSNSで「やさしさ」を投稿すると、企業の協力のもと、ケニアの女子生徒に生理用品が届けられるという仕組みが採用されました。
小さな共感が生む大きな支援
SNS上で157件の投稿が集まり、その成果として約314日分の通学支援が実現しました。この活動によって、女子生徒たちが抱える「生理の貧困」という深刻な問題に焦点を当て、彼女たちの教育の機会を守るための一助となりました。
ケニアでは、教育を受ける女子生徒の多くが生理期間中に学校を欠席することが問題視されています。特にスラム地域の学校では、約90%の女子生徒が生理中に学校に行けないとされています。この事実は、女性の教育機会の拡大に大きな課題を与えています。
生理用品とその支援の重要性
Nation紙の調査によると、63.4%のケニアの女性が「1周期あたり11〜20枚以上の生理用ナプキンが必要」と回答していますが、経済的な理由から多くの女性が最小限の生理用品で乗り切っています。それ故、10枚入りのパックでは約2〜3日分の通学を支える量に過ぎません。
この取組により、合計157パック(1,570枚)の生理用品が届けられ、娘たちの教育を支えることが達成されました。このような支援は、彼女たちの安全と尊厳を守るうえでも重要です。生理用品の不足は、性的嫌がらせや搾取のリスクを高めるため、支援が不可欠なのです。
新しい寄付の形
「#やさしさアクション」はSNS上でやさしさをシェアする行為が、実際に遠く離れた地の女子生徒の通学支援に結びつくという新たな寄付の形を紡ぎました。この取り組みを通じて、参加者は「ただ投稿する」だけで、自分自身の小さな行動が他者を応援する体験を得られるのです。
SHIFT80は、このような共感を基にした行動を通じて、寄付や社会参加の心理的ハードルを下げ、分かち合いの文化を育むことを目指しています。この取り組みは、日本の寄付・支援行動が142か国中141位という結果を受け、今後の寄付文化の向上に寄与することを期待しています。
代表の思い
坂田ミギー代表理事は「わずか1ドルの生理用品が手に入らず、教育の機会を失う女の子たちがいる現実を変えたい。小さな分かち合いが大きな変化につながると信じています」と述べています。「SNSの一つの投稿が、さらに次のやさしさを生む連鎖を期待しています。」
今後の展開
SHIFT80は、2025年12月からこのキャンペーンで集めた生理用品をケニア・ナイロビのスラム地域で配布予定です。現地の学校や女性支援団体と連携し、女子生徒が安心して学べる環境を整えるための活動を進めていくとのこと。
そして、来年以降もSNS上での活動を通じて、日本国内でも共感を行動に変える小さなアクションを発信し、「続いていく支援の形」を社会に根付かせていくことを目指しています。
この活動の背後には、国際的なチャリティーデーやガールズデーの意義が息づいており、社会全体がやさしさを理解し、分かち合うことができることを願っています。