化粧品容器の資源循環型モデル構築に向けた新たな挑戦
近年、環境問題への関心が高まる中で、企業の取り組みも大きな注目を集めています。その中で、三菱ケミカルグループとアルビオンが協業を開始し、化粧品容器の資源循環型モデルの構築を目指しています。この取り組みは、高級化粧品の製造・販売で知られるアルビオンが、虎の子の廃棄資材をリサイクルし、新たな化粧品容器へと生まれ変わらせる画期的なプロジェクトです。
協業の背景と目的
アルビオンの化粧品容器は、日々の製造過程で様々な梱包資材が使用されます。これらの資材は主に高品質を保つためのもので、キズ防止のプラスチック製緩衝材や埃の混入を防ぐポリ袋などが含まれています。しかし、これまでこうした梱包資材は廃棄物として処理され、資源として再利用されることはありませんでした。
この協業では、廃棄された梱包材を回収し、三菱ケミカルの茨城事業所に新設されたケミカルリサイクル設備にて油化。ポリプロピレン樹脂へと再生され、その後、化粧品容器の製造に活用されます。この循環が実現することで、環境への負荷を軽減し、持続可能な社会を目指すことができるのです。
ケミカルリサイクルの仕組み
三菱ケミカルが新設したケミカルリサイクル設備は、英Mura Technology社の最先端技術を取り入れています。この設備では「超臨界水」と呼ばれる特殊な水の状態を利用し、廃プラスチックを分解してリサイクル生成油に再生します。その生成油は石油製品や各種プラスチックなどに再製品化されることが可能です。これにより、高効率なケミカルリサイクルの仕組みが確立され、廃棄物を資源として有効に活用することが期待されています。
今後の展望
アルビオンは2025年を目処に、再生プラスチックを使用した新製品の発売を予定しています。また、協業の観点からも、緩衝材の回収・資源化をリファインバースグループが担い、リサイクルの効率化を図っています。さらに、このサプライチェーンの中で、連携が強化されています。
この取り組みは、単なる企業努力に留まらず、環境問題に対する社会全体の意識が高まる中で、他の企業への良い影響を与えることが期待されています。三菱ケミカルグループは外部パートナーと連携し、今後もクローズドループの適用・拡大に向けて努力を続けていく方針です。企業が協力することで、持続可能な社会を築くための道が開けているのです。
結論
三菱ケミカルとアルビオンの協業は、化粧品業界においても新たな風を吹き込むものとなるでしょう。循環型社会の実現に向けた大きな一歩と考えられ、他の業種もこのモデルを参考にしてさらなる環境対策を進めていくことが求められています。持続可能な未来に向けたこの革新に、ぜひご注目ください。