電通、推し活ファン層の行動分析を開始
株式会社電通が新たに開発したリサーチツール「ファンAIリサーチ 推し活」が本格的に運用を開始しました。このツールは、推し活に取り組むファン層の行動欲求をAI技術を使って解析し、ファンの熱量を企業のマーケティングに活用することを目的としています。
ファン心理の重要性
近年、アニメやアイドル、スポーツ選手などのファン活動が盛んになっています。ファンの熱意が企業活動に与える影響が顕著である一方で、ファンの心理を十分に理解せずに施策を実施した場合、期待外れの結果を招くことも少なくありません。特にIPやタレントとのタイアップ施策では、一時的な売上は見込めても、施策が終わった後には関係性が途切れがちです。
こうした課題に対処するため、電通はファンダム(特定の作品や人物に熱心なファン集団)の力に着目し、継続的な愛情を企業やブランドへの支持へとつなげる新しいアプローチ、「ファンサーキュレートマーケティング」を打ち出しました。
「ファンAIリサーチ 推し活」の概要
「ファンAIリサーチ 推し活」では、独自開発した「ファンダム欲求曼荼羅」と呼ばれるモデルを基に、SNSや動画配信サービスにおける公開コメントなどのデータをAIが解析します。これにより、ファンの「推し」に対する感情や行動の背景を迅速に明らかにすることが可能です。これにより、ファンの個性や文脈を理解した上でのコンテンツ設計やマーケティング施策が実現できます。
さらに、電通は大規模調査データとAIを活用した文脈解析を合わせて用いることで、ファンの価値観やブランドへのモチベーションを可視化し、企業とファンとの接点をより精緻にし、関係性を構築します。この一連の取り組みによって、ファンの愛情が一過性ではなく、企業やブランドへの支持に至るようにします。
ファンダムと企業の持続可能な関係の構築
電通は今後もファンダムを起点としたマーケティングの高度化を進めていく方針です。この取り組みの一環として、ファンダムの特徴を反映した「ファンダムAIペルソナ」の生成も行われ、企画プロセスにおける受容性検証やアイデア検討がスムーズに行えるようになります。これにより、ファンと企業の間で持続可能な関係を築くことが期待されています。
最後に、電通はこのリサーチツールを通じてブランド価値の向上を目指し、ファンダムの力を活かした新しいマーケティングモデルを展開していくことを表明しました。今後の展開に期待が寄せられています。