塑性加工の未来を切り開く
2025年5月15日、神奈川県伊勢原市の公益財団法人天田財団が主催する「第22回 塑性加工 助成研究成果発表会」が姫路市文化コンベンションセンター「アクリエひめじ」で盛大に開催されました。この発表会は、「鍛造を用いた材料プロセス開発」をテーマにしており、およそ143名が集まり、現地参加とオンライン視聴を通じたハイブリッド形式での実施が行われました。
背景と目的
当財団は、塑性加工およびレーザプロセッシングの分野での研究開発を助成しており、今回の発表会は、これまで助成された研究成果を一般に広め、社会実装を目指すための啓発事業として位置付けられています。発表会においては、特別講演や企業の講演も開催され、多様な情報交換が行われました。
開会の挨拶
会は、天田財団の代表理事である伊藤克英氏の挨拶によりスタート。伊藤氏は、今回のテーマの重要性と研究の進展に対する期待を述べました。
趣旨説明と特別講演
趣旨説明では、名古屋工業大学名誉教授で天田財団の理事でもある北村憲彦氏が「鍛造を用いた材料プロセス開発」について解説しました。続いて、東京大学の柳本潤教授による特別講演「鍛造を用いた材料プロセス開発」が行われ、参加者は鍛造技術の最前線に触れることができました。
助成研究成果の発表
この日の目玉は、研究者たちによる助成研究成果の報告でした。以下のようなテーマが発表されました。
- - 1500t鍛造シミュレータによるTi合金の組織と疲労特性(東京大学 御手洗容子教授)
- - 航空機エンジン用Ti-6246合金の革新的な鍛造プロセス(香川大学 松本洋明教授)
- - 超微細粒鋼のせん断加工面の特徴(兵庫県立大学 鳥塚史郎特任教授)
- - 鍛造におけるねじり振動付加(大阪大学 松本良准教授)
これらの発表は、鍛造技術の新しい進展と、実際の産業における応用の可能性を示す重要なものでした。
企業講演の充実
また、山陽特殊製鋼株式会社の研究員、山田麻由氏による「CAEを活用した鍛造プロセス改善の取り組み事例紹介」の講演もあり、企業の視点からの具体的な事例に基づいた有益な情報が提供されました。
総括
最後は、名古屋工業大学の北村憲彦氏が総括を行い、発表会の総評を述べました。全体を通し、研究者や企業の協力が今後の技術革新にどのように寄与するかについて期待が寄せられました。
結論
今回の助成研究成果発表会は、塑性加工分野における最新の研究成果を共有し、今後の研究開発の方向性を考える貴重な機会となりました。天田財団は引き続き、研究と技術の発展を支援していくことでしょう。詳細は天田財団の公式ウェブサイトで確認することができます。興味がある方は、是非関連資料の請求をお勧めします。