清掃工場のCO2回収技術が新たなコンクリート製造に貢献
東京都板橋区に位置する板橋清掃工場において、持続可能な建材製造に向けた新しい実証試験が行われました。この試験は、安藤ハザマが主幹事を務めるCPコンクリートコンソーシアム(CPCC)、東京二十三区清掃一部事務組合、日鉄エンジニアリングの三者が協力して実施したものです。
実証試験の内容
今回の実証試験では、日鉄エンジニアリングが開発した可搬式のCO2回収装置「m-ESCAP(TM)」を用いて、清掃工場の排ガスから二酸化炭素を分離回収しました。この回収したCO2は、CPCCが製作したコンクリートブロックに固定されることが確認されました。具体的には、43kg/m3のCO2がブロックに固定される結果が得られています。
この取り組みは、カーボンニュートラルの実現に向けた重要なステップとされており、地域社会におけるCO2の循環利用を促進するものです。実証試験の成果は、板橋清掃工場敷地内に新たに設置されたCO2固定実証設備を通じて実現されました。
社会実装を見据えた取り組み
本プロジェクトでは、回収されたCO2を利用したコンクリート生産の技術開発が進められています。これは、CO2を回収し利用するCCU(Carbon Capture and Utilization)技術として、今後の建材製造において非常に価値のある成果とされています。特に、この取り組みは、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)によるグリーンイノベーション基金事業の一環として進められており、次世代の都市づくりにも寄与することが期待されています。
大阪・関西万博との連携
このCO2固定化技術は、大阪・関西万博の未来社会ショーケース事業にも関連しており、万博のパビリオンに設置されるベンチとして使用される予定です。このように、未来の都市に向けた具体的な技術導入が行われることで、さらに多くの人々にこの技術の重要性が伝わることが期待されています。
今後の展望
実証試験は2024年の10月末から12月末にかけて行われる予定で、CPCCの取り組むCO2吸収固定技術は今後の事業展開の基盤となります。これにより、カーボンニュートラルな社会の実現がより具体的に進んでいくことが期待されています。
この先も、安藤ハザマ、日鉄エンジニアリング、そして東京二十三区清掃一部事務組合の三者は、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを継続していく方針です。私たち一人ひとりも、このような取り組みに注目し、関心を持つことで、未来の環境問題への理解を深めていけるでしょう。