深海研究スーパーキッズ育成プロジェクトin駿河湾
2025年8月4日から6日までの3日間、富山湾を拠点に活動する一般社団法人とやまミライラボ主催の「深海研究スーパーキッズ育成プロジェクト」が、静岡県の駿河湾で開催されました。このプロジェクトは、未来を担う若者たちが海の環境問題を学び、研究することで、次世代の海洋専門リーダーを育成することを目的としています。
深海への旅が始まる
駿河湾は富山湾と同じく「日本三大深湾」として知られ、その豊かな生態系に惹かれる多くの人々を魅了しています。イベント初日、参加者たちは富山駅から新幹線を利用して駿河湾に向かいました。到着後、まず向かったのは沼津港深海水族館。
ここでは、3億5千万年の歴史を持つ「生きる化石」と呼ばれるシーラカンスをはじめ、様々な深海魚との出会いを果たしました。子どもたちは深海魚の驚異的な形状や生態について興味津々で観察し、飼育員の指導のもと、直接エサやりを体験しました。彼らの目はキラキラと輝いていました。
地元のキッズと共同学習
2日目には、駿河湾の地元のキッズたちと一緒に共同学習を実施しました。粘土を使って駿河湾の地形モデルを作成する作業では、参加者全員が協力して深さや形について考察しました。昼食には、地元名物の深海魚「アオメエソ」を楽しみ、自然と話が弾みました。
また、駿河湾深海生物館では深海のサメ「ラブカ」や新種の「ヨコヅナイワシ」の標本を観察し、知らない生物を詳しく学ぶ貴重な体験でした。「これらの展示を見て、自分の研究の参考にしたい」との声もありました。
幼少期の深海魚を学ぶ
3日目は、沼津魚市場での競り見学から始まりました。市場には、富山湾では見られない南方系の魚が数多く出品され、地元の子どもたちとともにそれを観察した参加者たち。終日、幼魚について学ぶ機会も設けられ、深海魚の幼少期がどのように成長するのかを実際に確認しました。
「浅い水域で過ごす幼魚を見たとき、深海の生態系がどれほど興味深いかを実感しました」と語る子どもたち。
プロジェクトを振り返って
イベントを終えた参加者たちは、「自分の知らなかった魚のことを学べた」「駿河湾キッズと友達になれた」「今後の研究対象をしっかりと考えていきたい」といった声を寄せました。このような経験を通じて、彼らは持続可能な海のために何ができるかを真剣に考える機会を得ました。
深海研究スーパーキッズ育成プロジェクトの意義
日本三大深湾の一つである富山湾を舞台に、未来の海洋専門家を育成する「深海研究スーパーキッズ育成プロジェクト」は、海の理解を深める素晴らしい機会を提供しています。この地域の特性を活かしたプログラムは、連携を通じて子どもたちが海の環境に目を向け、行動することを促します。
日本財団「海と日本プロジェクト」も、この活動を支援しており、より多くの人々が海に親しむことで、環境保護の意識を高める力となることを目指しています。これからも、次世代の子どもたちが深海の魅力と重要性を学び、未来へと繋がるパイプラインを構築していくネットワークが広がることを期待しています。