株式会社先端技術共創機構(ATAC)、半導体開発における新たな一歩を踏み出しました。ATACは先日、1992年設立の半導体ファブレスメーカー、株式会社ロジック・リサーチをグループ会社として迎え入れることを発表しました。この統合は、ATACの半導体事業のさらなる拡充を図り、研究者の持つ半導体技術の事業化を加速することを目的としています。
ロジック・リサーチは、LSI(大規模集積回路)の設計や製造終息半導体のリメイク、少量多品種のカスタムLSIの提供など、幅広い半導体ソリューションを提供する企業です。そのアナログ・ミックスドシグナル領域における高い設計力と多様な開発実績は、業界内でも高く評価されています。また、福岡システムLSI総合開発センターを拠点にし、アカデミアを含む広範な半導体パートナーネットワークの構築に成功しています。
一方、ATACは半導体領域を重点分野と位置付け、大学や研究機関との強い連携を活かして、先端技術の事業化と経営に力を注いできました。特に、少人数で効率的に事業化を推進する「ATAC事業化ファクトリー」の構想は、バックオフィスや知財の支援体制を整えることで、より効果的な運営が可能となりました。
今回のロジック・リサーチの参加により、ATACの半導体開発機能と広がりを持つネットワークが結集することで、試作から量産までを一貫してサポートできる体制が整います。この連携により、個々の研究者が保有する半導体技術の事業化と経営をさらに効率化し、加速させることが期待されています。
ATACの代表である古澤 利成氏は、「私たちは、ロジック・リサーチとの統合を通じて、強力な半導体ソリューションを提供し、技術の事業化を一層進めていきます。この新たなシナジーを通じて、業界における影響力を強化し、優れた製品の創出を目指します」と述べています。
また、ロジック・リサーチもATACの一員として事業を進めることに期待を寄せています。取締役社長の土屋 忠明氏は、「ATACとの連携が、我々のビジネス展開に新たな可能性をもたらし、相互に成長できる関係を築けることを期待しています」とコメントしました。
このように、ATACとロジック・リサーチの統合は、半導体業界における新しい展望を開くものと言えるでしょう。今後、両社の取り組みがどのように進化していくのか、注目が必要です。