ロームの1200V IGBT
2024-11-07 14:26:16

ロームが開発した1200V IGBTが業界トップクラスの性能を実現

ローム株式会社は、最新の1200V IGBT(絶縁ゲート型バイポーラ・トランジスタ)を開発しました。この新製品は、自動車および産業機器の用途に向けて設計されており、業界トップクラスの低損失特性と高短絡耐量を持っています。特に、車載用の電動コンプレッサやHVヒーター、さらには産業機器向けのインバータに使われるパワーデバイスとして、信頼性規格「AEC-Q101」に基づき製造されています。

開発された製品は、ディスクリートパッケージのTO-247-4LとTO-247Nの2種類の型式で提供され、合計4機種がラインナップされています。それに加えて、ベアチップの11機種も用意されており、今後さらなるモデル追加が計画されています。

この第4世代IGBTは、そのデバイス構造を全面的に見直すことで実現しました。特に、1200Vという高耐圧を達成しつつ、10μsecという高い短絡耐量も兼ね備えています。さらに、低スイッチング損失や低導通損失の特性を備えており、高効率なアプリケーションの実現に寄与しています。

新製品のTO-247-4Lパッケージは、4端子設計を取り入れ、汚染度2の環境下(一般的な家庭やオフィス環境)でも実効電圧1100Vに対応可能です。これにより、他のメーカーに比べて設計負荷が軽減され、設計の自由度が向上しています。また、ケルビンエミッタ端子を追加することで、高速スイッチングの実現も目指しています。

実際に、TO-247-4Lと従来品を比較した場合、約24%の損失低減を実現していることが確認されています。この効果は、3相インバータの効率比較でも顕著であり、業界の高効率駆動に貢献する強力な助けとなっています。

新しいIGBTは、毎月100万個の生産体制で量産され、サンプル価格は税抜きで1500円です。製造は、ローム滋賀工場で行われ、後工程はタイにあるROHM Integrated Systemsが担当します。インターネット販売も開始されており、コアスタッフオンラインやチップワンストップといったプラットフォームで購入可能です。

最近、自動車や産業機器において高電圧化が進んでおり、パワーデバイスにもそれに対応するための高効率化が強く求められています。加えて、車載電装部品は、必ず車載信頼性規格をクリアする必要があります。ロームは、新しいデバイス構造と適切なパッケージの採用により、これらのニーズに応える第4世代IGBTの開発に成功しました。

この新製品の開発は、自動車や産業機器の分野において、高効率駆動や小型化を実現するための新たな一歩となるでしょう。今後もロームは、高性能IGBT製品のラインアップを強化し続ける方針です。


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会社情報

会社名
ローム株式会社
住所
京都府京都市右京区西院溝崎町21
電話番号
075-311-2121

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