秋田県での新たな脱炭素取り組み
Carbon EX(カーボンエクス)株式会社は、株式会社チェンジホールディングスの子会社である東光コンピュータ・サービス(TCS)と共に、秋田県林業公社と提携し、J-クレジットの販売を開始しました。この取り組みは、地域の森林経営から得られたカーボンクレジットを企業向けに販売するもので、脱炭素経済の促進を目指しています。
協業の背景
日本国内では、J-クレジット制度が拡大しており、約900万トンのCO2相当が認証されています。特に東北地方は国土の約七割が森林に覆われており、林業や再生可能エネルギーのポテンシャルが高い地域です。この資源を活かしたクレジットの創出が期待されています。
TCSは、森林組合向けの業務システム「樹海」を用いて、森林施業に関するデータの可視化やCO2吸収量の定量化を進めています。2025年11月からは東北の森林組合との連携を強化し、約17.6万トンのCO2クレジット創出支援を予定しています。Carbon EXは、地域で生まれたクレジットを企業に提供する流通基盤を築く役割を担っています。この協業を通して、地域での環境価値の市場への流通が一層推進されることが期待されています。
取り組みの目的
この協業において、秋田県林業公社が創出した森林由来のJ-クレジットを、両社で販売します。販売規模は1万トン以上のCO2吸収量に相当しており、東北地方での最大級の取引となります。Carbon EXは、カーボンクレジットの販売・流通を担い、クレジットの透明性とトレーサビリティを確保して、地域で創出されたクレジットが確実に市場へ届けられる仕組みを提供します。
TCSはクレジットのデータ管理や運用支援から販売までを一貫して行います。これにより、地域の農業や林業団体が創出するクレジットの価値を最大化し、地域の脱炭素や産業振興に貢献することを目指しています。
今後の展望
今後は、Carbon EXの販売ネットワークとTCSの「樹海」での現場ネットワークを組み合わせ、森林組合、農林業公社、企業との結びつきをさらに強化していきます。そして、秋田での成功モデルを全国の自治体や森林組合に展開し、地域資源を起点としたカーボンニュートラルの実現を広めることを狙っています。
これからの日本のカーボンニュートラル
日本全体がカーボンニュートラルに向けて動き出す中、地域の資源を活用したサステイナブルな取り組みはますます重要です。Carbon EXとTCSの協業は、その一つのモデルケースとして注目されており、地域社会の発展と環境保護を両立させるための新たな道を切り開いています。
地域の特性を活かした脱炭素の試みは、他の地域でも広がることでしょう。今後、この取り組みがどのように進展し、さらなる成功を収めるのか、注目していきたいと思います。