CUCがノアコンツェルを完全子会社化
株式会社シーユーシー(CUC)は、札幌地区において住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅を展開する株式会社ノアコンツェルの全株式を取得し、同社を完全子会社とすることを決定しました。この取り組みは、今後の医療・介護サービスの向上を目指しており、特に医療や介護に高い依存度を持つ入居者の受け入れを進め、新たな支援体制を築くことが期待されています。
新しい受け皿を提供
CUCは、札幌市における介護ニーズにお応えするため、ホスピスフロアの新設やデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進し、バックオフィスの最適化を図ります。これにより、効率的な運営体制を構築し、利用者に対してより良いサービスを提供することが目指されています。
ノアコンツェルが提供する「定期巡回・随時対応型訪問介護看護サービス」は、CUCの既存ネットワークとの連携により、シームレスな医療・介護体制を実現します。この新しい取り組みにより、札幌市においても、質の高い医療サービスの提供が行えるようになるでしょう。
札幌市の高齢者医療と介護の現状
札幌市は、国立社会保障・人口問題研究所の調査によれば、2020年から2050年にかけて後期高齢者の比率が急増することが予測されています。このことは、医療・介護の需要が大きく拡大することを意味しており、CUCはその課題に対応するための体制を整えていきます。
具体的には、2050年には医療の需要が2020年の1.1倍、介護の需要が1.5倍となる見込みですが、同時に総人口は減少するとされています。これは医療費の増加や医療支援を行う人材の不足といった、新たな課題を引き起こします。このような状況において、高齢者が安心して生活できる医療体制が求められています。
地域包括ケアシステムの推進
CUCの取り組みは、政府が推進する地域包括ケアシステムとも強く関係しています。在宅医療や在宅介護に焦点を当てたこのシステムの中で、ノアコンツェルの訪問介護看護サービスは、介護サービスの核となる役割を果たします。CUCグループは、全国各地で展開している医療機関やホスピス型住宅、訪問看護ステーションとの連携を通じて、幅広いケアを提供できる体制を整えています。
さらに、介護分野においてはDX化による業務の効率化が進むと期待されています。CUCが持つ医療機関支援のノウハウを活かし、質の高いサービスの提供と効率化の両立を目指していきます。
CUCグループについて
CUCグループは、国内連結子会社14社、海外連結子会社24社からなる企業グループであり、「医療という希望を創る。」を企業理念として多様な医療課題の解決を目指しています。札幌市における医療ネットワークの強化も、その一環となります。
CUCは、今後も札幌における医療・介護のニーズに応えるため、ノアコンツェルとのシナジーを活かし、地域における更なる発展を目指します。具体的な施策は、利用者の生活を支える多角的なアプローチから着実に実施される予定です。
おわりに
CUCの取り組みにより、札幌市における医療・介護の体制が強化されることが期待されています。高齢化が進む中で、持続可能な医療サービスを地域に届けるための新しい試みとして注目です。