AiCAN、1.8億円の追加資金調達を実施
株式会社AiCANは、児童福祉の現場に特化した業務支援を行うGovTechスタートアップです。このたび、HIRAC FUNDおよびANRIからの支援を受け、総額1.8億円の資金調達を成功させ、累計の調達額が6億円を超えました。
児童虐待の問題とその現実
子どもに対する虐待は、深刻な社会課題の一つであり、日本では2020年に相談件数が20万件を超えるなど年々増加しています。これに伴い、児童相談所や関連機関では職員数の不足や対応の難しさが影響し、現場は厳しい状況に置かれています。AiCANはこの現実に対処すべく、自治体のデジタル・トランスフォーメーション(DX)を通じて、虐待対応の支援に注力しています。
AiCANのサービス展開
AiCANが提供する「AiCANサービス」は、デジタル業務を支えるSaaSアプリと、データに基づく提案・研修を含む支援プログラムのセットです。これにより、児童相談所や母子保健課、子育て支援課など、虐待対応を担う機関の職員の負担を軽減し、効果的な人材育成を促進します。
2023年には全国で6つの自治体、2024年にはさらに7つの自治体での実証実験を行い、効果的なサービス導入の検証を行う予定です。これまでに9つの自治体へのサービス提供も開始しており、今後のさらなる地域拡大を見込んでいます。
資金調達の意義と今後の展望
今回の資金調達を通じてAiCANは、より多くの自治体への採用を進めることや、既存のサービスの改善と新たなサービスの開発を行うとともに、医療、福祉、司法、教育など多岐にわたる関連分野への展開を加速させます。これにより、より多くの子どもたちを守るための“エコシステム”の構築を目指します。
投資家からの期待
マネーフォワードベンチャーパートナーズのHIRAC FUNDの檜山氏は、AiCANが抱える課題の深刻さに言及し、同社の取り組みが地域の職員や子どもたちに寄与することを期待しています。ANRIの丸山氏も、SaaSスタートアップとしての成長を評価し、全国展開を支援する意向を示しています。
AiCANの未来
AiCANの代表取締役である髙岡昂太は、今回の資金調達を機に、さらなるプロダクト展開のスピードを上げるとともに、テクノロジーを通じての社会課題解決を進める決意を語ります。「すべての子どもたちが安全な世界に変える」というビジョンには、現場でそれに向けて日々努力している多くの人々への感謝が込められています。
まとめ
株式会社AiCANは、児童福祉の現場での業務支援を通じて、子どもたちの未来を守るための重要な役割を果たしています。今後の成長と地域展開が非常に楽しみです。子どもたちが安心して過ごせる未来を実現するために、継続的な支援が求められています。