東京都で行われた「春の痴漢撲滅啓発イベント」は、新生活を迎える新入生を狙った痴漢被害を防ぐことを目的としています。このプロジェクトは、4月15日(火)に池袋駅南改札の外で開催され、約50名が参加しました。出席者には松本副知事や高際豊島区長をはじめ、警視庁、鉄道事業者、そして高校生らが名を連ねました。
この時期は新生活をスタートさせる学生が多く、特に痴漢被害が増える傾向にあります。東京都は、その危険性を鑑みて、4月に初めてこのような啓発イベントに取り組むことを決定しました。参加者たちは、痴漢被害を撲滅するための啓発グッズを配布しつつ、利用者に対して広くアピールしました。
イベントの趣旨と目的
松本副知事は、参加した皆さんに感謝の意を表し、痴漢が引き起こす身体的・精神的な苦痛について言及しました。「痴漢を許さない」というメッセージを発信し、一般の方々に理解を深めてもらうことが重要であると訴えました。
高際豊島区長も、進学や就職といった新しい出発の時期において、痴漢被害が影響を及ぼすことに心を痛めていると述べ、池袋駅の重要性も指摘しました。乗降客数265万人を誇るこの駅での啓発活動は、大きな意味を持っています。
参加した高校生の反応
参加した高校生からも率直な意見が寄せられました。「周りの友人が痴漢被害に遭って怖い思いをしたことを聞いています。このキャンペーンを通じて、少しでも被害が減ることを望んでいます。」また、満員電車での体験をシェアした生徒もおり、周囲の人への声掛けの重要性を感じたと語りました。
声を上げることの重要性
痴漢被害を防ぐためには、周囲の人々が介入することが必要です。驚きや恐怖から行動が起こせない被害者が多い中で、目撃者の行動が被害を未然に防ぐことができるというデータもあります。東京都の調査によると、目撃者の介入によって9割以上の痴漢被害が止まったとの結果もあります。このため、第三者が介入する文化を築くことが求められているのです。
都が提唱する「ちょこっとアクション」
特に、東京都は「ちょこっとアクション」と呼ばれるプログラムを通じて、日常的に誰でも実践できる行動を広めています。例えば、混雑した電車内で他の人に密着されている場合、「体調が悪いのでは?」と聞いてみるなどの小さな行動が、周囲の人へのサポートにつながります。東京都のウェブサイトも情報提供を行っており、参加者からの具体的な行動例も紹介されています。
このようなイベントを通じて、東京都は痴漢被害撲滅に向けた取り組みを継続していく意向です。今後も、警視庁や鉄道事業者と連携し、地域社会全体が協力し合って、痴漢を許さない環境をつくっていく必要があるでしょう。