大正製薬の皮膚科学研究と「マイトリガーゼ」の重要性
大正製薬株式会社は、創業110年を迎える老舗の製薬企業であり、長年の医薬品研究を基に多様な製品を提供してきました。中でも、皮膚科学研究においては1974年から本格的な取り組みを始め、その後2013年から美容分野の研究を強化しています。この背景には、看板商品である栄養ドリンクに含まれる成分「タウリン」の肌における有用性が見いだされたことがあります。
ミトコンドリアとマイトリガーゼの発見
最近では、細胞内のミトコンドリアが肌の老化に影響を及ぼすことに着目し、研究が進められています。研究チームは、2006年に東京薬科大学の柳茂教授によって発見された「マイトリガーゼ」という酵素に注目しました。この酵素が細胞の若々しさに関与していると考えられ、共同研究が開始されました。
マイトリガーゼと肌老化の関係
この研究によって、「マイトリガーゼ」の減少が肌老化の原因となる可能性が示唆されています。年齢とともに肌のシミやシワが目立つようになるのは、細胞の老化が進むためです。そして、この細胞の老化は、ミトコンドリアの中に存在する「マイトリガーゼ」が不足するとさらに加速することが判明しました。
具体的には、研究により以下のことが明らかにされています:
- - エイジングによって「マイトリガーゼ」が減少すること。
- - この減少がミトコンドリアのネットワークの崩壊や機能低下を引き起こし得ること。
- - 異常な状態の肌は慢性炎症を引き起こし、老化をさらに進める可能性があること。
エイジングケアへの期待
大正製薬は、この「マイトリガーゼ」を増加させる成分の研究にも取り組んでおり、その結果、モモやハマメリスの葉、ボタンピのエキスなどが有効とされています。これらの成分を使用することで、肌表面のバリア機能が向上し、老化を食い止める効果が期待されています。
美容皮膚科医の視点
また、美容皮膚科医として活躍する宇井千穂氏も「マイトリガーゼ」の研究に注目しています。彼女は、肌の若々しさを保つためには正常なターンオーバーが必要であり、これを妨げる「マイトリガーゼ」の減少が美容において非常に重要な要素であると指摘しています。この研究の進展により、エイジングケアの常識が変わる可能性があると彼女は期待を寄せています。
大正製薬の今後の取り組み
大正製薬は、今後も「マイトリガーゼ」に関する研究を深化させ、より多くの健康と美を求める生活者に向けたソリューションを提供していく方針です。肌だけでなく、髪や身体全体のエイジングケアに寄与する商品開発を進めていくことが期待されています。これらの研究成果は、生活者の美しく、豊かな暮らしを実現する手助けとなることでしょう。
大正製薬の「マイトリガーゼ」に関する詳細な情報は、公式ウェブサイトでも紹介されています。さまざまな研究の成果をもとに、新しいエイジングケア商品の開発に向けて取り組みが進められています。
大正製薬 先端美容研究所「マイトリガーゼ」研究紹介