障害者の就業支援に関する実態調査結果
株式会社スタートラインは、障害者が自分らしく生きる社会を実現するために活動している企業であり、特に障害者雇用に携わっています。2025年5月19日から20日まで、民間企業で3年以上働く障害者を対象にした実態調査を行い、その結果を公表しました。この調査では、就職活動において障害を持つ人々が直面する主要な困難や、求められる支援内容についてデータを収集しています。
就職活動における困難
今回の調査によると、就職活動で障害者が感じた困難のトップは、2つの要因が同率1位となりました。一つ目は『障害に適した求人情報が少ない』こと、二つ目は『企業の障害に対する理解が不足している』ということです。これらは、いずれも50%の人々が感じている印象です。また、3位には『条件に合った通勤手段や通勤時間が少ない』が42%で続きました。
実際の回答者の声をいくつか紹介します。
- - 「全体的に求人が少なく、マッチングが難しい」といった意見。
- - 「長時間の残業が難しいため、面接時に確認する必要があった」など。
- - 「障害に対する認識が企業によって異なる」など、多様な意見が寄せられました。
必要とされる支援
次に、障害者雇用枠での就職活動において、求められる支援内容についても調査されました。1位は『障害特性に合った求人情報の提供』(39%)、2位は『障害に理解のある企業の紹介』(34%)、3位が『障害に配慮した選考プロセスの実施』(32%)となっています。
その他の回答としては、『就職と障害に専門的な知識を持つ相談窓口』や『企業への障害特性の説明サポート』が26%、『面接対策や履歴書作成サポート』が21%という結果が得られました。
まとめ
障害者雇用に関するエバンジェリスト吉田瑛史氏は、自らの経験を基に「情報の開示不足がミスマッチを引き起こす」と指摘しています。就職活動において必要な情報が企業から提示されないことで、障害者は安心して自分の特性を伝えられなくなり、結果として就業後の定着率が低くなる現象が起きています。精神障害者の定着率は55.59%に留まっています。
さらに、企業は障害者を採用することが目的ではなく、採用後にどう活躍するかを考える必要があります。法定雇用率を達成するだけでなく、採用した障害者が活躍できる体制を構築することが重要です。
障害者自身も内定を目指す短期的視点だけでなく、長期的にどのように職場で働いていくかを考えるべきです。自分の特性や配慮が必要な点を整理し、企業に伝えることが、ミスマッチを減らす一歩となります。
お互いが情報を共有し合い、「活躍」に焦点を当てることができれば、より良い障害者雇用の実現に向けた橋渡しになるでしょう。
この付帯情報を通じて、障害者雇用の課題解決の一助となれば幸いです。