AI時代の会計士の変化
会計士の業界は、AIの進化によって大きな変化を迎えています。株式会社PCPが発表した「2025年度版 会計士白書」では、1,091人の会計士を対象にAI活用に関する調査が行われ、この調査結果からは業務環境におけるAI格差が明らかになりました。約8割の会計士が週1回以上AIを利用しており、そのうちの35.3%は「ほぼ毎日」AIを使用しているという報告があります。特に事業会社に勤務している会計士の40.4%が日常的にAIを活用していることが目立ちます。
生産性向上を実感する層が増加
興味深いのは、AIを頻繁に活用している層の生産性向上に対する実感です。「週5日以上」AIを利用している会計士の50.9%が生産性が「非常に向上した」と回答しています。このことから、AIの継続的な使用が成果を上げる重要な要素であることが読み取れます。
様々な格差が進行中
一方で、AIを「全く利用していない」6.2%の会計士の中には、22.1%がAI関連の新たなスキルを「特に必要ない」と感じているという結果も出ています。このように、エンゲージメントの異なる層によって、AI活用の意識に二極化が進行しているのが明らかです。
AIが奪うのか?会計士の未来
さて、今回の調査の大きなテーマは「AIは会計士の仕事を奪うのか?」という問いかけです。代表取締役の桑本慎一郎氏は、生成AIが会計士の定型業務の多くを代替しつつあることを指摘しています。今後はAIを使いこなすための高いリテラシーと、AIが生成したアウトプットを評価・判断する能力が不可欠になるでしょう。
また、クライアントが仕事を依頼する際の判断基準も変わると予測されています。「何を」頼むかではなく、「誰に」頼むか、すなわち人間的な信頼関係が重視される傾向が強まるとのこと。誠実に行動し、信頼を勝ち取った会計士が選ばれる時代が到来すると考えられています。
「2025年度版 会計士白書」の詳細
今回の白書では、会計士のキャリア転向や女性会計士の活躍といったテーマについてもデータをもとに分析しています。これは、業界全体の「今」と「未来」を理解するための重要な資料となるでしょう。社会が急速に変化する中、会計士の今後も注目されるテーマです。
白書の詳細やダウンロードは
こちらから確認できます。
調査概要
- - 調査名: 会計士の過去・現在・未来に関する実態および意識調査
- - 調査対象: 日本の公認会計士試験(旧二次試験)合格者
- - サンプル数: 1,091名(男性 79.2%, 女性 20.5%, その他 0.3%)
- - 調査期間: 2025年8月5日~8月27日
- - 調査手法: インターネット調査
- - 調査主: 株式会社PCP
会社概要
- - 会社名: 株式会社PCP
- - 代表者: 代表取締役 桑本 慎一郎
- - 所在地: 東京都文京区湯島3-23-8第六川田ビル6階
- - 事業内容: 公認会計士・経理財務人材に特化した転職支援事業