AIサプライチェーンに潜むリスクとは
2025年6月11日と12日に開催される『The AI Summit London 2025』に、ロンドンを拠点とするサイバーセキュリティ企業『APRIO TECHNOLOGIES(アプリオ・テクノロジーズ)』が登壇します。昨今の金融セクターやその他重要インフラセクターにおけるサイバーリスクの懸念が高まる中、AI技術が与える影響とその対策が、このカンファレンスの大きなテーマとなります。
「AIはリスクを機会に変える」
APRIOは、同会議にて「AIはリスクを機会に変える」というテーマで講演を行い、急速に変化するAIの環境について言及しました。特に、生成AIから自律的に行動する『AIエージェント』への移行が進む中で、企業が直面する新たなサイバーリスクを報告しました。
AIの技術進化に伴い、従来のIT管理手法では認識できない攻撃対象が増加しているとの警鐘が鳴らされています。これらのAIの進化を支えるサプライチェーンが、企業にとって重要な新たな脆弱点となる可能性を示唆しています。
新たなリスク「シャドーAI」
講演では、特にAPRIOが警告する『シャドーAI』の存在に触れ、これがサイバーリスクの新たな焦点として浮上していることを明らかにしました。これは、企業の防衛策の範囲外で稼働するAIモデルやコードのことを指し、従来のガバナンス施策だけで対処するには不十分です。
こうした脅威に対応するため、APRIOは企業に継続的かつ動的にリスクを監視できる体制の構築を促しています。特に、サイバーリスクデューデリジェンスツール『Cyber Insight Portal(CIP)』は、サプライヤーや投資先企業、外部AIプロバイダーなど、さまざまな第三者のサイバーリスクを評価し、経営層が直感的に判断できる情報を提供することが可能です。
経営層向けガイドの公開
APRIOは、講演に合わせて『AIサプライチェーンリスク管理に関する経営層向けガイド』というホワイトペーパーも公開しました。このガイドでは、AIの導入におけるリスク管理を如何に企業競争力へと転換すべきかについて述べています。法務・コンプライアンス・リスク部門が初期段階から携わり、継続的にモニタリングを行うための新たなガバナンスの枠組みを提案しています。
このように、AIサプライチェーンに潜む複雑なリスクを管理するためには、経営層が主導権を握り、適切なガバナンスを構築することが不可欠です。
CEO 足立照嘉のメッセージ
APRIOのCEO、足立照嘉氏は、生成AIブームが一段落し、いまやAIが自主的に行動する『エージェントAI』時代の到来について言及しました。この新しいAI技術は生産性の飛躍を約束しますが、同時に新たなサイバーリスクも引き起こします。彼は、外部からのAIモデルやエージェントが企業内部に潜む見えない脅威を増大させると警告しています。従来のチェックリスト型ガバナンスではこれを管理できないため、まったく新しいアプローチが必要です。
APRIOは、企業がAI時代の戦略を成功させ、それに伴うリスクを効果的に管理できるよう、新たなガバナンスの枠組みを提供しています。これにより、日本企業が自信を持ってAI技術を活用できる環境を整ることを目指しています。
AI Summit London 2025の詳細
『The AI Summit London 2025』は、世界の90カ国から約30,000人が参加する英国最大のスタートアップイベント『London Tech Week』内で行われるAIカンファレンスです。約4,500人の専門家やスタートアップが集まり、最前線のAIソリューションを紹介します。
開催されるこの重要なイベントは、AI技術についての理解を深める絶好の機会となることでしょう。