IT企業経営者の意識調査: エンジニア不足が続く現状
M&Aキャピタルパートナーズ株式会社が、従業員300名以下の中小SIerおよびシステム開発会社の経営者110名を対象に行った「IT業界における人材課題と将来の展望に関する実態調査」の結果が発表されました。この調査によれば、IT企業の経営者の約53.6%が自社のエンジニアが不足していると感じており、約4割以上が過去1年間に目標とする人材を確保できていないことがわかりました。
調査結果の主なポイント
調査によると、IT人材の採用が困難という現実が浮き彫りになっています。具体的には、応募者のスキル不足に悩む企業が70%以上あり、エンジニアを求める企業には深刻な影響を及ぼしています。特に、「技術スキルの不足」が44.4%、「応募者数の少なさ」が37.8%という回答が多く、企業が求める技術に見合う人材の確保が難しい状況が続いています。
採用対策としては、給与や待遇の向上を33.6%が実施しており、リモートワークなど柔軟な働き方の導入が24.5%を占めています。しかし、こうした取り組みでも人材の質の向上には結びつかず、多くの企業が厳しい現状を抱えているのです。
人件費の高騰と価格転嫁の難しさ
さらに、調査からは人件費の増加も浮き彫りになりました。過去1年間で人件費が増加した企業は29.0%にも上りますが、そのうちの53.1%はその費用を商品やサービスの価格に転嫁できていません。これは、IT企業が抱える経営課題の一因として、賃金の引き上げが進みにくい状況を示しています。
企業経営者の中には、将来的な脅威として「人材確保の困難さ」が35.5%、「人件費の高騰」が32.7%と回答しており、より強い危機感が漂っています。
M&Aの活用による人材確保
こうした中、M&Aを活用する企業が増える傾向にあります。IT企業同士の合併や買収によって人材の確保を図る動きが強まっており、特にIT人材不足が原因でこれまで以上にM&Aが事業継続に役立つ戦略とされ始めています。しかし、調査の結果から「M&Aによる事業拡大(買い手として)」と回答した経営者はわずか4.4%にとどまり、依然としてM&Aの活用が一般的でない現実も見受けられます。
このように、IT業界では人材不足が深刻な問題として認識されており、エンジニア確保に向けた様々な取り組みが求められています。今後も人材不足が続く見込みであり、企業はM&Aをはじめとした新たな戦略に取り組む必要があるでしょう。
今後3年間のビジョンを描く際には、IT企業が直面する人材問題をどう解決するかが重要なポイントとなります。まずは情報収集から始め、効果的な戦略を見つけることをお勧めします。
企業情報
M&Aキャピタルパートナーズ株式会社は、IT業界の人材問題解決に向けて、M&Aを推進する専門家としても知られています。代表取締役の中村悟氏は、企業のDX推進や人材不足の解決に向けた取り組みを行っており、時代のニーズに応えています。