下水道管の劣化判定を自動化するAIモデル、国土交通大臣賞を受賞
令和7年度の国土交通大臣賞「循環のみち下水道賞」が授与されました。この賞は、健全な水循環や資源循環を実現することを目的とした先進的な取り組みを表彰するもので、今年は特に注目されるプロジェクトが評価されました。
この度の受賞は、
パシフィックコンサルタンツ株式会社、
京都市上下水道局、
株式会社Ristの三者による共同研究がもたらしてくれたものです。取り組みは「\ AI×高画質管口カメラ調査により維持管理の課題を解消! /」というタイトルで、アセットマネジメント分野での功績が評価されました。
受賞したプロジェクトの概要
下水道管の劣化判定を自動化するAIモデルは、特に京都市で導入されているアクションカメラを使用した高画質管口カメラ調査に基づいています。この新たな技術は、AIの性能を活用して、作業の効率化と精度向上を実現しています。
具体的には、アクションカメラで撮影した画像が適切であるかどうかを評価する「AI画像良否判定モデル」と、管路の劣化及びその程度を判別する「AI劣化判定モデル」の2つのエンジンが機能します。これにより、技術者の経験に依存せずとも高品質な画像を撮影し、劣化判定が可能になるのです。
このプロジェクトの成果は、地下のインフラをより効率的に管理する手助けを行い、結果として市民の生活環境の向上にも大きく貢献します。
循環のみち下水道賞とは
「循環のみち下水道賞」は、21世紀の地下水道の概念に基づいた優れた取り組みを表彰するもので、平成20年度に創設されました。これは国土交通大臣が授与するもので、持続可能な社会実現に向けた優れた事例を広く発信することを目的としています。
受賞者は、その活動を通じて多様な面から社会に貢献し、他の組織にも同様の取り組みを促すことが期待されています。
パシフィックコンサルタンツ株式会社について
この受賞に貢献した
パシフィックコンサルタンツ株式会社は、1951年に創設されて以来、70年以上にわたって建設コンサルタント業界のリーダーとして活動を続けています。同社は国内外の様々なインフラプロジェクトに関与し、安心して暮らせる持続可能な社会の実現に向けた新たな価値を提供しています。
今後の展望
下水道管の劣化判定自動化におけるこの取り組みは、今後、全国的に広がる可能性があります。安定した社会基盤の確立に向けて、他の地方自治体にも広がり、下水道管理の効率化が進むことが期待されています。技術者の負担を軽減し、より多くの劣化判定を迅速に行うことで、公共インフラの寿命を延ばし、より安全な社会を築く一助となることでしょう。