中東事業に進出する日本企業、現状と課題
2026年1月時点、アラブ首長国連邦(UAE)を含む中東13カ国での日本企業の進出状況が明らかになりました。その数は合計1515社に上り、特にUAEで709社が活動しています。これは、中東全体の日本企業の半数を越える数字です。UAEの商業環境の良さや、安定した治安が進出の要因とされています。
日本企業は、UAEのドバイを中心に様々な業種で活動しており、特に石油・天然ガス関連や中古車の輸出入に注力しています。次いでイスラエルに473社、サウジアラビアに268社という数値も目立ち、それぞれが特有の経済圏とニーズに応じたビジネス展開を行っています。
業種別に見ると、「卸売業」が最も多く883社を占め、その中でも機械器具や自動車の卸売が特に活発です。「製造業」も291社あり、一般機械器具や電気機械器具の製造が主な業務となっています。このように多様な業種にわたる日本企業が、中東地域で活躍していることが分かります。
また、都道府県別にみると、東京都が最も多く646社を占め、大阪府が227社、愛知県が129社と続いています。この3つの府県で全体の60%を超える企業が集中しており、日本全国の企業が43都道府県にわたって活動しています。
しかし、現在の中東情勢の悪化が、これらの企業のビジネスに深刻な影響を及ぼしています。2026年2月28日には米国とイスラエルの連携攻撃がイランに行われ、その報復としてイランが近隣国に対する攻撃を強化しています。このため、UAEやサウジアラビアなどでは、弾道ミサイルやドローンによる攻撃の脅威が現実のものとなり、日本企業の駐在員やその家族の安全が脅かされています。
すでに現地で活動を続ける企業では、駐在員の国外退避などが行われ、プロジェクトの停止や延期が避けられない状況になっています。これまで中東地域の安定した治安を背景に、積極的に進出してきた企業も、多くが今後の見通しを見直さざるを得ないという厳しい局面を迎えています。特にホルムズ海峡がイランの影響で事実上封鎖されているため、物流面でも困難が生じています。
このように、中東13カ国での日本企業の事業は、現地の情勢悪化の影響を受け続ける危険があります。商業活動の長期化される影響が日本国内にも広がる懸念があり、今後の動向から目が離せない状況です。