AP通信社が映像事業のHD化戦略を発表し、業界に革命を起こす
AP通信社、映像事業のHD化戦略を発表
AP通信社(Associated Press)、アメリカを拠点にした最大級の国際ニュースネットワークは、映像事業のHD化戦略を発表しました。発表の場は、オランダ・アムステルダムで開催されたIBCカンファレンス。その内容は、取材、制作、そして配信に関わる全ての映像関連システムをHD(ハイデフィニション)に移行し、約数百万ドルを投資するというもので、通信社の中で最大規模のHD導入といえるものです。これにより、AP通信社の配信映像を利用するメディアは、放送向け、デジタルメディア向けの両方で受信できる映像のレパートリーが拡がります。
HD化の段階的な導入
このHD化は段階的に進められ、2011年11月11日にはエンタテインメント・ニュースが、さらに2012年1月にはスポーツ・ニュースの映像コンテンツとして、Sports News Television(SNTV)と共同で提供される予定です。また、2012年6月にはロンドンオリンピックや米大統領選の速報ニュースを含めたHD化が完了する見込みです。
映像キャパシティの向上
確保されたHDカメラは200台を超え、移動体衛星の性能向上やHD信号に必要なバックホール容量の増加など、一連のアップグレードが進んでいます。これにより、AP通信社の取材、制作、配信形態は今後、大きく変化していくことでしょう。
ただし、これは単なる技術的な進展に留まりません。AP通信社の映像ニュースの取材拠点も最新の編集、圧縮、送信技術を使ってアップグレードされます。さらに、HD対応のマスター・コントロール・ルーム(MCR)が全世界で20か所以上に設置され、これにより映像の質が飛躍的に向上します。
アーカイブもHD化
APのアーカイブ映像もHD化され、放送品質の高い映像をウェブサイトからダウンロードできるようになるため、利用者はより良いコンテンツを手に入れることが可能になります。
技術革新の核心
映像技術ディレクターのデービッド・ホード氏は、このプロジェクトの重要性を強調し、「インフラ全体をアップグレードする必要があります。情報をいつ、どこで、どのように得るかを選ぶのが今日の情報化社会の特性です。このため、私たちは顧客がこれまで以上に簡単に映像を受信し、利用できるように技術の向上を目指しています。」とコメントしています。
さらに、国際映像事業の責任者、デイジー・ヴィーラシンハム氏は、「このHD配信は、18か月にわたる映像事業の戦略の中心です。顧客のニーズに応じた新しい配信方法を開発していくことを目指しています。」と述べました。
過去の実績を活かして
AP通信社は、数年間にわたりHD映像伝送サービスを提供してきた実績があります。直近では、英国王室のロイヤルウェディングにおいてHD伝送サービスを行い、その成功を踏まえて今回のHD化戦略が導入されることになりました。
AP通信社について
AP通信社は1846年に設立され、迅速かつ中立的なニュース配信を大規模に行う国際的なニュースネットワークです。世界の人口の半数以上がAP通信社が発信するニュースに接しており、その信頼性は高く評価されています。
会社情報
- 会社名
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AP通信社
- 住所
- 450 W. 33rd St. New York, NY 10001
- 電話番号
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