新エンジン「EnergyPlus」で住宅の室温シミュレーションの精度向上が期待される

新たなシミュレーション技術導入

インテグラルが提供する住宅性能診断士「ホームズ君」は、最新の計算エンジン「EnergyPlus」を追加し、室温や動的熱負荷の計算精度を大幅に向上させました。この進化により、設計者はより現実に即したシミュレーションを行うことが可能となり、住宅設計のプロセスを支援します。

EnergyPlusの特長

EnergyPlusは、世界中で利用されている高機能な室温計算エンジンです。その信頼性と多機能性から、多くの設計者に愛用されています。今回のアップデートでは、これまで使用されていたEESLISMとの併用から、EnergyPlusを新たな計算エンジンとして取り入れることにより、さまざまな温熱環境の計算がより効率的に行えるようになります。

シミュレーション精度の向上

これを受け、インテグラルは実際の物件での室温実測結果とシミュレーション結果の比較分析を行い、熱容量や換気性能などのパラメータを最適化。これにより、シミュレーション結果が実際の環境に即したものになることが確認されました。

さらに新機能として、エアコンの暖冷房能力に応じた室温変化を計算できるようにもなりました。従来は、部屋の広さや断熱性能にかかわらず、一定の条件で計算が行われていましたが、EnergyPlusを搭載することで、エアコンの性能を実際に計算に反映した動的な室温変化が得られるようになります。これにより、設定温度に到達するまでの時間を把握したり、エアコンの能力が十分でない場合のリスクを先に知ることができるなど、より実用的な情報が提供されます。

実データによる検証

今後、インテグラルは計測条件のパターンを増やし、さらなる精度向上を目指した実物件での計測を継続中です。得られた検証結果は、公式サイト『ホームズ君.com』にて随時公開される予定です。この取り組みは、設計者のみならず、施主に対しても説得力のある説明を提供するための一助となるでしょう。

インテグラルは、住宅設計の段階から施主に最適な環境を提供できるよう、引き続き努力していく考えです。