ベネッセとサイバーエージェントが手を組む
株式会社ベネッセホールディングスと株式会社サイバーエージェントは、業務改革に向けた新しいプロジェクト「AIクリエイティブセンター」を設立することを発表しました。この新たな取り組みは、生成AIを駆使してマーケティングや制作の領域で革新をもたらすことを目指しています。
背景にある社会の変化
ベネッセグループは1955年に創業された福武書店を起源としており、来年は70周年という記念の年を迎えます。これまで教育や介護、保育といった分野で、様々な社会課題の解決に取り組んできました。しかし、少子化や高齢化、格差の拡大といった社会の変化が進む中で、教育業界にも新たなアプローチが求められています。
1969年には現在の「進研ゼミ」の前身である「通信教育セミナ」を開始し、2014年以降はタブレット講座も導入。さらには2023年にはAIを活用した「AI学習コーチ」を導入しましたが、これらはすべて最新テクノロジーを活用した教育商品です。しかし、事業の推進だけでなく、社内の業務プロセスの改革においてもテクノロジーの力を借りる必要があります。そのために、サイバーエージェントとの協業が選ばれました。
「AIクリエイティブセンター」の目的
「AIクリエイティブセンター」の設立により、デジタル広告や次世代のAI知見を持つサイバーエージェントと連携して、業務改革を進めていくことになります。これにより、顧客に合わせたパーソナライズされたクリエイティブ制作が可能となり、顧客価値の向上を目指します。
沖縄拠点の設立
このプロジェクトの一環として、沖縄に新たな制作拠点を設ける予定です。この拠点では、制作作業を一元化し、効率的にクリエイティブプロセスを進めることができます。
ベネッセ専用AIツールの開発
サイバーエージェントは、ベネッセ専用のAIクリエイティブツールも開発予定です。このAIは、制作ノウハウをデータベース化することで、制作クオリティを向上させることを目指し、同時に制作にかかる時間やコストの削減にも貢献します。
「極予測AI」による広告効果の向上
サイバーエージェントが提供する「極予測AI」は、広告クリエイティブの制作プロセスにも革新をもたらしています。このシステムは、広告に使用される素材(コピーや画像、動画など)ごとに効果を予測し、最適なクリエイティブを生成することができます。
この技術を活用することで、最新の広告手法を通じて、より高い広告効果を見込むことができるのです。さらに生成AIを駆使した商品画像生成機能により、制作過程で必要とされる設備や場所を用意しなくとも、あらゆるシチュエーションに適した商品画像が大量に自動生成されることが実現します。
このような生成した商品画像と広告効果予測の組み合わせにより、より効果的なプロモーションが期待できそうです。
結論
教育業界は常に変わり続けていますが、その中でベネッセとサイバーエージェントの新しい取り組みは、業務改革を進める上で非常に重要な一歩となるでしょう。AI技術の導入を通じて、教育に関わる様々な側面が変革されることが期待されています。今後の展開にも大いに注目です。