未来の日本ハンドボール代表選手を育成する欧州遠征の成果
2025年9月4日から12日にかけて、公益財団法人日本ハンドボール協会が主催する2025年度ナショナルトレーニングアカデミー(NTA)の欧州遠征がスウェーデンで実施されました。この遠征は、日本の未来のハンドボール選手が国際経験を積み、成長を遂げることを目的としています。参加したのは男女各16名の高校1年生で、現地クラブチームとの対戦や外国籍のプロコーチからの指導、プロリーグの視察、選手同士の交流など、様々なプログラムが組まれています。
遠征の概要
今年は、昨年に引き続き、スウェーデン南部のルンドにあるLUGIというクラブに受け入れられました。ここでは、以下の4つの重要なプログラムが実施されました。
1. 現地クラブとのエキシビジョンマッチ
2. プロフェッショナルリーグの試合観戦
3. 現地のプロ指導者やゴールキーパーコーチによるトレーニング
4. 選手やコーチ間のディスカッションや交流
これらの活動は、現地のコーディネーターや関係者の尽力によって実現しました。実際の試合では、日本の選手たちは普段は味わえない体格差や高い技術に触れ、現状のギャップや手応えを実感しました。また、将来の世界選手権を見据えた際に、遠く離れたライバルを意識することで、日々の努力がさらに意味を持つと感じたことでしょう。
選手コメント
参加選手たちからの声には、様々な成長の実感が見られました。永井逸晟選手は、現地の雰囲気や外国のプレースタイルを経験することで、技術向上のみならず、チームとしての一体感を得ることができたと語っています。また彼は、相手チームとの交流の中で、言葉の壁を越えたコミュニケーションの重要性も認識しました。
髙木陽樹選手は、海外の選手とのフィジカルの差を体感しつつ、逆に自身のディフェンスでその差を埋める方法を学びました。彼は、攻守ともに自分のプレーが通用したことが自信になったとし、今後も選手としての成長を目指す決意を明かしました。
久保星良選手は、海外の高い打点のシュートや強いフィジカルとの攻防を体験し、世界レベルの高さを実感。彼は、日本のスピードやフェイント技術の強みも再認識し、今後の強化ポイントを明確にしました。
河口心愛選手は、初めて経験する高い打点やスピードに対抗する中で、日本のスピードを武器に変えて試合を有利に進めることができたと振り返っています。彼女もまた、この貴重なトレーニングを次のステップに生かしたいと考えています。
締めくくり
NTAのチームディレクターである嘉数陽介氏は、この世代の選手たちが国際経験を積むことが将来の日本代表強化につながると確信し、今回の遠征が無事に実現できたことに感謝の意を表しました。この貴重な経験は、選手たちにとって今後のトレーニングや試合に活かされることでしょう。また、日本スポーツ振興センターや日本ハンドボール協会、選手・スタッフのご協力に対する感謝も述べられています。世界で活躍する日本のハンドボール選手たちの未来に、期待が高まります。