日本介護美容セラピスト協会の成長と挑戦
一般社団法人日本介護美容セラピスト協会は、2014年に設立され、これまでに3,000名以上のセラピストを育成してきました。心と体を癒す「心と体の美容療法®」をテーマに、特に高齢者を対象にした「ビューティタッチセラピー®」を導入。マッサージトリートメントやメイクを通じて、高齢者の自立支援やQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上を目指しています。
コロナ禍からの復活
2020年から続く新型コロナウイルス感染症の影響で、協会も認定研修を一時中断せざるを得ず、認定者数は急減しましたが、2023年の5類移行をきっかけに徐々に活動を再開。コロナ禍以前の水準に戻すため、感染対策を徹底しつつも、高齢者とのコミュニケーションを重視した活動を進めてきました。今年3月には認定セラピストの数がついに3,027名に達しました。
資格保持者の受講増加
受講者の多くは40代から50代の女性ですが、特にアクティブシニアの参加も増加しています。70代の受講者が10名を超えたことからも、高齢者が社会に参加し、ホスピタリティを発揮する場が広がっています。最近では、介護職や療法士などの資格を持つ人々が受講するケースも増えてきており、すぐに実践的なスキルを活用したいというニーズが高まっていることが伺えます。
セラピストの広がる活動
日本介護美容セラピスト協会のセラピストは、高齢者へのフェイシャルやハンドセラピー、フットセラピー、メイクサービスを行うだけでなく、地域コミュニティにおける講師活動も行っています。また、避難所でのハンドセラピーの導入など、防災時の支援活動としてもその重要性が注目されています。このような活動は高齢者や地域の人々にとって、心の安定や社会とのつながりを維持する励みとなっています。
セラピストの活躍事例
吉村めぐみさん(福岡県北九州市)
2014年に認定を受けた吉村さんは、エステティシャンとしての経験を生かし、介護施設やデイサービスで活動しています。彼女の施術は、一人ひとりの笑顔を引き出し、多くの元気を与えています。
小川真由子さん(大阪府大阪市)
接骨院をデイサービスに転換した小川さんは、エステティック施術を行いながら、高齢者との関わりを深めています。彼女は「心の栄養」をテーマに、活動を続けています。
町田茶里さん(東京都世田谷区)
町田さんは美容部員としての経験を生かし、介護現場での美容レクリエーションを提供しています。これまでの美容知識を活かした新たなサービスを展開しています。
酒井彩華さん(愛媛県宇和島市)
介護施設での勤務を経て、彼女は施設に「美容の日」を提案。入居者の笑顔を増やすことに尽力しています。
今後の展望
協会は今後も、認定セラピスト5,000名を目指し、セラピストが継続的に活動できる環境を整えていく考えです。また、地域との触れ合いを大切にしつつ、誰もが受け入れられるサービスを提供することが目標です。超高齢社会において、高齢者が自分らしく生きるための活動はますます重要です。
まとめ
日本介護美容セラピスト協会は、設立から9年で3,000名を超えるセラピストを育成し、高齢者のQOLを向上させるための継続的な取り組みを行っています。今後も多くの高齢者が自分らしい生活を楽しむことができるよう、積極的に活動を続けていくことでしょう。