東京海上日動、AI導入でコンタクトセンター業務の革新を図る
2023年3月、株式会社PKSHA Technologyと伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(CTC)が連携し、東京海上日動火災保険株式会社のコンタクトセンターにAIを導入するという戦略的な取り組みが始まりました。このプロジェクトは、主要業務プロセスにAIを活用し、応対の品質向上とオペレーターがより専門的な領域に集中できる環境を整えることを目指しています。これにより、東京海上日動は、年間700万件という膨大な問い合わせに対応するための新たなスタンダードを確立しようとしています。
1. 導入の背景
コンタクトセンター業界では、一貫してオペレーターの対応品質を均一化することが求められてきました。しかし、顧客からの問い合わせ内容が多様化し、オペレーターは従来以上の知識とスキルを必要としています。東京海上日動のコンタクトセンターには年間700万件もの問い合わせが寄せられており、この流れに対処するためにはAIの導入が不可欠だとされていました。2026年3月から、オペレーションの各フェーズにAIを組み込むことで、顧客応対の品質をさらに向上させることが期待されています。
2. 導入概要
AIの導入には、PKSHAの音声認識AI「PKSHA Speech Insight」が中心となります。このシステムは、従来のIVR(自動音声応答)に代わり、自然な発話から顧客の要件を把握し、適切な窓口に情報を連携します。これによって、通話開始時にスムーズな対応が可能となります。
さらに、通話中にはリアルタイムでテキスト化が行われ、AIが質問を自動で認識し、オペレーターに即座に回答案を提示します。これにより、対応時間が短縮され、より迅速なサービスが提供されるようになります。
そして通話後には、通話内容の要約や記録作成が自動化され、オペレーターの後処理の負担が軽減される仕組みです。これらの取り組みにより、東京海上日動コミュニケーションズは年間で応対時間の大幅な削減を見込んでおり、余裕が生まれた時間をより専門的な業務に充てることができるようになります。
3. 期待される結果
このAI導入による業務効率化により、東京海上日動のコンタクトセンターでは年間200万件を超える入電に対して、最大で30%もの応対時間の削減が期待されています。この取り組みが成功すれば、今後のコンタクトセンター業界における新たなスタンダードとなる可能性があります。
PKSHA Technologyは、ミッション「未来のソフトウエアを形にする」を掲げ、今回のプロジェクトを通じて人とソフトウェアが共に進化する社会の実現へ向けて貢献していくとしています。
4. PKSHA AI Suite for Contact Center
この新しい取り組みの一部として展開されるPKSHA AI Suite for Contact Centerは、さまざまなカスタマーサポート領域の問題解決を目指したオールインワンの「AI SaaS」です。各企業の特性に応じたカスタマイズアルゴリズムの設計や業務改革のためのコンサルティングも行い、企業の成長をサポートします。
今後もPKSHA Technologyは、コンタクトセンター業務のデジタル化を進め、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを続けていく予定です。企業全体のデジタルトランスフォーメーション(DX)を通じ、新たな時代のカスタマーサービスを創出することで、さらなる高みを目指すことでしょう。