2026年卒大学生キャリア意向調査:働くイメージと不安
株式会社マイナビは、2026年に卒業予定の大学生や大学院生を対象に実施したキャリア意向調査の結果を公表しました。この調査では、働くことに対する学生のイメージやその後の不安についての実態が浮き彫りになっています。
働くイメージを持つ学生の意欲
調査によると、「社会に出て働くイメージ」を持っていると回答した学生は55.6%に達し、半数以上がポジティブなイメージを持っていることがわかりました。このような学生の中では、働く意欲が高い割合が8割以上という結果も明らかになっています。具体的には、先輩社員との対話やOBOG訪問など、実際の社会人の姿を具体的に知る機会が、学生の働くイメージを形成する一因であると考えられます。
一方で、働くイメージを持てていない学生は、「意欲が高い」と答えたのが40.4%で、「意欲が低い」とした学生も36.8%と、意欲に関しては二分される結果となりました。このことからも、働くイメージが持てるかどうかが、学生の職業意欲に大きく影響していることが示唆されています。
不安が支配する学生の心理
調査では、働くイメージを持てていない学生は、社会に出ることへの「不安」が「期待」を大きく上回るという結果も出ています。「不安」の理由として最も多く挙げられたのは「職場の人間関係」であり、社会人への不安要素がここに集中していることがうかがえます。また、社内の人間関係についての理解度が他の情報に比べて低いことも明らかで、学生の多くがこの点について十分に情報を得ているとは言えません。
この状況を改善する一つの方法として、企業が入社予定者との早期のコミュニケーションを強化し、職場環境について具体的に理解してもらう機会を作ることが挙げられます。実際の社員と話をする機会を増やすことで、学生の不安を軽減し、働く姿を具体的にイメージさせることが期待されます。
内定式に対する関心と不安
さらに、調査では内定式への参加希望者が83.8%に上ることもわかりました。ただし、内定式に対して不安を感じる点があると答えた学生もおり、「他の内定者と仲良くなれるか」や「社内の社員や役員と上手く会話できるか」といった人間関係に関する不安が多くなっています。この傾向は、学生が新たな環境でのコミュニケーションに対して敏感であることを示しています。
期待と実務が結びつく環境作り
この調査結果からは、未来の社会人である学生たちが「働くこと」に対してどのようなイメージを持ち、どのような不安を抱えているのかが見えてきました。特に、学生の働くイメージを高め、社会に出ることへの期待を育むためには、企業のフォローが重要であることが示されています。
入社前の準備として、内定者同士や配属先の社員とのコミュニケーションの場を設けるなど、学生が安心して社会人としての第一歩を踏み出せる環境を整えることが、今後の課題となります。
マイナビキャリアリサーチLabの中島英里香研究員もこの調査結果を踏まえ、入社前のフォローを強化することの重要性を指摘しています。社会人になる準備を少しでもスムーズに進め、学生の不安を和らげるための取り組みが期待されます。