3年間の戦争がもたらした障がい者世帯への影響
ロシアによるウクライナへの侵攻は、2022年2月から現在まで続いており、戦時下における人々の生活に多大な影響を与えています。特に、障がい者世帯にとっては、困難な状況が続いており、AAR Japan(難民を助ける会)は、このような戦禍の中での活動を行っています。これまでの支援内容や現地の人々の声を通して、彼らの現在の状況を詳しくお伝えしたいと思います。
AAR Japanの取り組み
AAR Japanは、ウクライナ南部のミコライウ州で、障がい者や戦争で負傷した人々への支援を行っています。具体的には、現地の協力団体と連携し、健康診断や医薬品、衛生用品、歩行補助具、呼吸補助器などを提供しています。また、2つの医療機関には、リハビリテーション機材を届けることで、戦時下でも医療サービスを受けられる環境作りに尽力しています。
現地の声:ユーリイさんの物語
59歳のユーリイさんは、ミコライウ州内で妻と二人の娘、そして孫たちと共に暮らしていましたが、戦争が始まって以来、生活は一変しました。ミサイル攻撃で足を負傷し、無理に家に戻ろうとしたところ、爆風で痛手を負ってしまいました。今では歩行が難しくなり、家族はAARが提供したテントに仮住まいです。「まずは家を建て直したい」と語るユーリイさん。この言葉には、家庭の復興への強い思いが感じられます。しかし、身体の状態が悪化しているため、再建の道は容易ではありません。
ボグダン君の母、オクサナさんの苦悩
13歳のボグダン君は「ラーセン症候群」により、ベッドから離れることも、話すこともできず、医療機器に頼りながら生活しています。彼の母親であるオクサナさんは、避難を繰り返しながらも故郷を離れたくないと強く思っています。停電が続く中、息子の命をつなぐために必死で、救急車を何度も呼ばなければならない状況は、言葉では表せない辛さです。「ウクライナのため、戦わなければならない」と語る彼女の目には未来への希望が輝いています。
国際社会の支援と今後の展望
AARは、モルドバのキシナウに現地事務所を構え、ウクライナ難民や地域住民への支援に取り組んでいますが、現地の状況は依然として厳しいものです。難民支援や地域住民支援は、毎日の生活の一部として続いており、国際社会からの協力が欠かせません。今後もウクライナの復興には多くの努力が必要ですが、少しでも多くの人々が支援を受けられるように、AARは活動を続けていきます。
最後に
AAR Japanの活動は、戦争の影響を受ける人々にとってかけがえのない存在です。人道的支援が求められる状況において、皆様の協力がどれほど重要かを改めて感じます。ウクライナの現状を少しでも多くの人に知っていただき、ご協力をいただけることを心から願っています。詳細やご寄付の方法については、AAR Japanの公式ウェブサイトをご覧下さい。