認知症とAIのアート
2025-10-28 11:43:02

アートが問いかける認知症とAIの未来──窪田望『Inside Dementia』の魅力

体験型アートの最前線 ─ 窪田望『Inside Dementia』



現代美術家の窪田望による新作アート作品『Inside Dementia』が、2025年10月17日から12月14日まで開催中の東京ビエンナーレで展示されています。この作品は、AI技術と認知症のテーマを組み合わせた体験型インスタレーションであり、鑑賞者に深い思索を促すものです。

東京ビエンナーレとは



東京ビエンナーレは、市民と共に創り上げる国際芸術祭であり、2021年に始まり、今回で3回目となります。その目的は、アートを通じて東京の社会的実践を探求し、さまざまな課題に対する新しい視点を提供することです。過去の2回の開催を経て、エンターテイメントだけでなく、社会への影響を持つアートを目指しています。

窪田望と『Inside Dementia』の展示内容



『Inside Dementia』は、AIによるDeep Fake技術を利用し、認知症の方との会話を体験することができる作品です。本作では、認知症を抱える方々の実際の声をもとに、鑑賞者自身の声が生成され、より一層の臨場感をもたらします。参加者は、認知症の高齢者〈ふみさん〉を他の会場まで送るというシナリオを通して、自らの声を提供し、AIが生成する音声と共に歩くことで、彼らの体験を追体験します。

体験の流れ


1. 依頼: 鑑賞者は、介護施設のスタッフとして〈ふみさん〉を別の会場まで送るように依頼されます。
2. 声紋データの収集: 防音室でアプリを使用して台本を音声で読み上げ、その声紋データがAIにより加工されます。
3. 疑似体験: 鑑賞者は、AIを通じて生成された自らの声を使い、〈ふみさん〉と共に東京ビエンナーレの会場間を歩く中で、認知症と向き合う経験をします。

この体験では、鑑賞者は認知症者の声を引き受けることが求められ、声の記録は体験終了後に消去されることで、記憶やケアの倫理に関する問いが投げかけられています。ここで生じる一回性や消去の意味は、私たちがどのように他者との関係を築くのか、またそれがどのように社会の中で評価されるのかを考えさせます。

窪田望の背景



窪田望はAI技術の専門家でもあり、国内外で20の特許を持つ実力派のアーティストです。彼は「社会的マイノリティの生活が無視されることは許されない」と考え、アートを通じてこれらの声を社会に届ける努力をしています。彼の作品は、外れ値と呼ばれるデータの中に新しい価値を見出すことや、忘れられた存在を再評価することをテーマにしています。

まとめ



『Inside Dementia』は、アートを通じて認知症の方への理解を深めることを目的とした画期的な作品です。窪田望の鋭い視点と技術が融合し、鑑賞者に忘れがたい体験を提供しています。ぜひ、東京ビエンナーレでその目撃者となって、アートの新しい価値を共に探求してみてください。

Inside Dementia

公式サイト


詳細な情報は東京ビエンナーレ公式サイトをご覧ください。


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会社情報

会社名
株式会社Creator’s NEXT
住所
東京都港区港南1丁目9番36号NTT DATA品川ビル 13階
電話番号
03-4405-0319

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