東京建物、オーストラリアでの倉庫開発事業に初めて参加
東京建物株式会社がオーストラリア・シドニー近郊で、2つの区分分譲倉庫開発事業を開始するとの発表がありました。これらは「Rockwater Brookvale PJ(ブルックバールプロジェクト)」と「Stream Northmead PJ(ノースミードプロジェクト)」と名付けられ、それぞれ異なる特性とニーズに応じた施設を提供するものです。東京建物にとって、オーストラリアでの初めての倉庫開発プロジェクトとなります。
オーストラリアの市場におけるニーズ
オーストラリアでは経済が着実に成長しており、中小企業の増加やEC市場の拡大が進んでいます。その結果、中小企業にとっては事務所や倉庫の確保がますます重要になっています。また、シドニー周辺地域では、住宅費の高騰から、多くの人々が都心のコンパクトな住居へと住み替えています。そのため、居住空間が狭まり、個人のストレージニーズも高まっています。
今回のプロジェクトは、オーストラリアの不動産大手であるRay White Capital Pty Ltdおよび建設コンサルタントのHannas Contracting Services Pty Ltdとの共同事業によるもので、各物件には合計80区画以上の倉庫が分譲される予定です。
それぞれのプロジェクトの特徴
Rockwater Brookvale PJ(ブルックバールプロジェクト)
このプロジェクトはシドニー中心部から約15kmの距離に位置し、交通の便が良好なエリアです。周囲には住宅地だけでなく、ゴルフ場やビーチリゾートもあり、個人のストレージ需要が高まっています。ここでは、99㎡から266㎡の大きさを持つ中型倉庫34区画と、11㎡から110㎡の小型倉庫45区画を計画しています。建物の構造はRC造であり、2025年12月の竣工を目指しています。
Stream Northmead PJ(ノースミードプロジェクト)
ノースミード地区はシドニーの中心から約25kmの地点に位置し、周囲には病院や各種研究施設が集まるエリアです。こちらでも中小企業や関連企業からの需要に応えるため、100㎡から440㎡の中型倉庫34区画と、17㎡から89㎡の小型倉庫47区画を整備する予定です。こちらの物件は2026年6月の竣工を目指しています。
次世代デベロッパーを目指す
東京建物グループは、2030年を視野に入れた長期ビジョンを持ち、海外プロジェクトの成長を重点戦略に掲げています。特に現中期経営計画期間内では、海外事業への1,100億円の投資を計画しており、アメリカ、オーストラリア、タイ、中国などでさまざまな開発事業を進めています。この一環として、オーストラリアの住宅市場にも参入を果たし、自社のビジネスモデルを確立しています。
また、区分分譲倉庫はオーストラリアにおいては低コストで運営可能なため、個人投資家からの需要も見込まれています。東京建物は今後も現地のパートナーと協力し、地域ニーズに即した倉庫開発を推進していく方針です。
まとめ
東京建物がシドニー近郊で開始する2つの倉庫開発プロジェクトは、中小企業や個人のストレージニーズに応える重要な事業となります。オーストラリアの経済成長を受けて、今後の展開が非常に楽しみです。